2015 Fiscal Year Annual Research Report
嘔吐毒素セレウリドの付加カチオン置換速度の評価とその細胞毒性への影響
Project/Area Number |
25870317
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
岡本 陽 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60436996)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食中毒 / セレウス菌 / セレウリド |
Outline of Annual Research Achievements |
セレウス菌の産生する嘔吐毒素セレウリドの中心には1価のカチオンが配位している。セレウリドはポタシウムイオノフォアとしてはたらき、ミトコンドリアの膜電位を脱分極することで毒性を示すと考えられている。そこでセレウリドにはどのような種類のカチオンが配位することができるのか、またその場合に細胞に対する毒素活性はどのように変化するのか検討した。 本研究の結果から、セレウリドにはカリウムイオン(K+)およびアンモニイウムイオン(NH4+)が安定的に配位することが質量分析の結果から示唆された。また毒素活性について、アンモニウムイオンが配位したセレウリドは、カリウムイオンが配位したものに比べ毒素活性が著しく減少する傾向が観察された(論文投稿中)。 最終年度はさらに細胞内のセレウリドの挙動について研究を行った。セレウリドと共培養した細胞の細胞内小器官、特にミトコンドリアを分離しセレウリド濃度を比較しようと試みたが、安定した結果が得られなかった。この原因として細胞培養に関する手技的な問題、およびセレウリドのさらなる高純度な精製が必要であると考えられる。 他の研究グループにより、セレウリドには数種の構造的なバリアントがある可能性が示唆されている。現在はセレウリドそのものの検出に難しい点があるため合成遺伝子のPCRによる検出が汎用的に行われているが、毒素の存在量も含め、毒素活性の評価がさらに重要性を増すと考えられる。従って今後もセレウリドの毒素活性に関わる研究を進める予定である。
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[Journal Article] Intestinal Dysbiosis and Lowered Serum Lipopolysaccharide-Binding Protein in Parkinson’s Disease2015
Author(s)
Satoru Hasegawa, Sae Goto, Hirokazu Tsuji, Tatsuya Okuno, Takashi Asahara, Koji Nomoto, Akihide Shibata, Yoshiro Fujisawa, Tomomi Minato, Akira Okamoto, Kinji Ohno , Masaaki Hirayama
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 10
Pages: e0142164
DOI
Peer Reviewed / Open Access