2014 Fiscal Year Research-status Report
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25870409
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
古川 敏明 大妻女子大学, 文学部, 講師 (90609372)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 相互行為 / ラジオ / ハワイ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、危機言語研究に相互行為分析の視点を導入することである。具体的には、ハワイ語ラジオ番組をデータとして、データベースの構築を行い、番組内における相互行為の分析を行っている。平成26年度は研究計画の2年目にあたり、初年度から引き続き、(1)録音資料の分類、整理、文字起こし、(2)文字起こししたデータの分析、(3)類似例の抜粋とコレクションの構築を実施した。
(1)については、16年間にわたる400回を超える番組カ・レオ・ハワイの要約集を利用し、放送回数の推移、ハワイ語母語話者と第2言語話者を含む番組出演者の出生地・言語的影響を受けた場所・性別・出演回数などを整理することによって、番組の特徴を把握するよう努めた。番組の概要は当事者たちに記憶されていることを除けば、今回のような形で番組の全体像を示す試みはなかったので、研究を進める上で有益な貢献であるといえる。一方、文字起こしについては、初年度は1名だった研究協力者を3名に増員することができ、結果的に、今年度の計画を大きく上回る合計12番組分を文字起こしすることができた。文字起こしは時間と労力のかかる作業であるが、データベースの構築は着実に前進している。研究計画の3、4年目(最終年)で分析により比重を置く上で、データベースの構築を前倒しして進めることは重要である。
(2)と(3)については、番組における現象全般に目を配りつつ、特に、ハワイ語と他の言語間の切り替え、エスニシティや地名といったさまざまなカテゴリーの使用、神話や伝説といった物語の相互行為的な語りに着目して分析を進めている。研究協力者を日本に招聘して情報交換を行い、さらに招聘者と研究代表者が国内で口頭発表を行い、研究を進展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラジオ番組の文字起こしは、1時間分のファイルを毎年6本文字起こしすることを目指している。平成26年度は研究協力者を1名から3名に増員することができ、結果的に、12本の文字起こしをすることができた。データベースの構築は計画以上に進展している。データの分析はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目も3名の研究協力者から文字起こしに対する協力を得られると見込めるので、引き続きデータベースの構築を継続する。3年目にデータベースの構築をできるだけ進めることで、最終年度は会話データの分析により比重を置くことができるような状態を目指す。
また、研究を遂行する上での課題としては、1~2年目と同様、海外渡航が思うように実施できない個人的事情(子供の誕生)があるので、調査が不足する分については、研究協力者を日本に招聘するなどの代替措置を採る。
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Causes of Carryover |
平成25年度は個人的理由(配偶者の妊娠)により、研究代表者の海外渡航が困難となり、計画を修正する必要が生じたため、平成26年度への繰越分が大きくなった。平成26年度は代替措置として研究協力者を日本へ招聘したことに加え、研究協力者を増員することができ、当初の計画よりも研究を進めることができた。しかし、それでも初年度である平成25年度からの繰越分を平成26年度中にすべて使用することはできなかったので、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は文字起こしに対する謝金1回分程度なので、平成27年度に計画している文字起こしに対する謝金に充当する。
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Research Products
(3 results)