2014 Fiscal Year Research-status Report
精油を用いた看護技術のエビデンス確立‐照射性潰瘍に対する治癒力促進のメカニズム-
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25870516
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
柿原 奈保子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50588762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護技術 / エビデンス / メディカルアロマセラピー / 治癒促進 / キャリアオイル / 精油 |
Outline of Annual Research Achievements |
精油にはさまざまな効能があることが広く一般に知られている。しかし、その容量用法によってどのような作用が現れるのか、科学的な根拠となる研究は少ない。使い方によっては効果がある反面、間違った使用をすると悪化させてしまう可能性もある。看護技術に精油やキャリアオイルをメディカルアロマセラピーとして用いることで、さらに効果的に治癒回復力を促進させるための基礎研究を目的としている。 照射性皮膚炎症・潰瘍は、皮膚の水分と油分の喪失を伴うため、つっぱり感などの症状がある。これに対し、現状では、軟膏などの薬剤塗布による対症療法をされている。看護ケアとしては、強くこすらないことや基本的に洗浄剤を使わないことが推奨されている。これは、洗浄剤は、水分と油分を奪い、更に悪化させてしまうことを懸念されている。 そこで、本年度は、より効果的なケア方法について検討した。皮膚創傷に効果的とされるキャロットシード精油を用いて、①充満させ燻蒸投与(通常では芳香として利用されている方法)、②オリーブオイルに付加し塗布投与、③オリーブオイルとキャロットシード精油にてコールド製法石鹸を作成し、石鹸洗浄投与を試みた。オイルを塗布するより、コールドプロセス石鹸洗浄により、保湿効果があり、治り方がきれいであり治癒促進効果があることが明らかとなった。これは、今までは洗浄剤は皮膚の乾燥を悪化させてしまうためよくないとされていたが、コールドプロセス製法の石鹸は逆であり、定説を覆す。適切な投与方法が重要であるというエビデンスとして貴重なデータとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投与方法による違いを明らかにできてきた点で新たな知見が得られ研究が進展した。 しかし、予備実験として、熱傷皮膚に対する治癒回復をした。これにより大きな方法論としてのケア方法を導き出すことができたため、材料を変えたり量を変えたりすることで更に効果的なものを追及していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
照射しながらケアを続ける過程で、保湿効果がどうなるかを検証することが来年度の課題である。また、本年度は、一種類の精油とキャリアオイルについての効果を調べた。次年度は多くの種類による差を調べていく必要がある。
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Causes of Carryover |
本研究で使用するオイルや精油は、鮮度が重要であり、一度に購入しておくことが困難である。本年度の研究で明らかとなった点をさらに詳細に分析するために来年度、実験を遂行するにあたり機材購入の予定があるため、予算分配した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
皮膚の保湿状況や油分状況などをより詳細に分析できる器機を購入する予定がある。 実験に必要な精油やキャリアオイルを分散して購入する必要がある。
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Research Products
(4 results)