2013 Fiscal Year Research-status Report
国家内少数言語話者の移住先での言語使用とネットワーク形成に関する基礎研究
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25870875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
柿原 武史 南山大学, 外国語学部, 准教授 (10454927)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ブラジル:リオ・デ・ジャネイロ:サン・パウロ / 資料収集 / ガリシア / 移民 / 少数言語 |
Research Abstract |
スペインの少数言語であるガリシア語の話者が移住先で子孫に対しどのような言語教育を行っているか、またネットワーク形成を行っているかについて現地調査を実施した。今回の調査はブラジル、リオ・デ・ジャネイロを中心に、サン・パウロでも行った。 リオ・デ・ジャネイロでは8月14日から17日にかけ、Casa de Espanha、リオ・デ・ジャネイロ州立大学、セルバンテス文化センター、スペイン領事館を訪問し、関係者に対し、聴き取り調査を行った。また、各機関で資料収集を行った。 サン・パウロでは、8月17日から19日にかけ、スペイン領事館、Casa de Espanha、Associacao de Catalonia de Sao Pauloを訪問し、関係者に対し、聴き取り調査を行った。また、各機関で資料収集を行った。 その結果、ブラジルにおけるガリシア移民のネットワーク形成についての基礎的資料が集まった。ガリシア語教育については、移民の子孫、ガリシア文化研究を専門とする大学生などに対し、実施している機関があったが、実際には非常に小規模であることが明らかになった。また、ブラジルにおける移民の互助組織が、高齢化や加入者の減少といった事情から、当初の出身地域別組織から、スペイン全体の出身者向けのものへと変貌していることがわかった。現在では、ガリシア文化を紹介する行事を開催したり、ブラジルにおけるスペイン語教育熱の高まりに答えるべく、スペイン語講座を実施する等、非スペイン系移民向けのサービスを強化している実態も明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では中南米諸国とスペインへの渡航を計画していたが、別の研究との兼ね合いから、初年度にブラジルでの調査を実施した。今回の調査で明らかになった点について追加の調査が必要なため、今後も、ブラジルを中心に周辺地域での調査を実施する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
スペイン、特にガリシアからの移民が多い地域はブラジルおよびアルゼンチン、ウルグアイ等であるため、今後はこれらのラ・プラタ川流域地域での研究を実施する予定である。スペインでの資料収集は、別の研究で渡航する際を利用して実施するため、本研究では主にこれらの地域での調査に重点を置いて行うこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費および物品購入において税金などの都合上、当初の予算よりも若干低い金額となったため。 繰越金は物品購入費にあてる。
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Research Products
(1 results)