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2014 Fiscal Year Research-status Report

大正~昭和戦前期、東京における東アジアの思想交流

Research Project

Project/Area Number 25870911
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

ベ ヨンミ  立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (80612556)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords東アジアの知の交流 / 植民地朝鮮 / 大正・昭和初期の帝国日本 / 台湾と中国
Outline of Annual Research Achievements

2014年度(平成26年度)の研究実績としては以下の3点を挙げることができる。
まず第一に、関東大震災時における朝鮮人虐殺(1923年)について、当時被災地域で留学中だった朝鮮人留学生の動向や彼らに対する朝鮮総督府の政策・対応策を中心に書いた論文を『関東大震災記憶の継承-歴史・地域・運動から現在を問う』(関東大震災90周年記念行事実行委員会編、日本経済評論社、2014年)に掲載した。
第二に、日本軍として日本そしてサハリンへ送られた朝鮮人兵士の軌跡を追った『北方部隊の朝鮮人兵士-日本陸軍に動員された植民地の若者たち』(北原道子、現代企画室、2014年)と、東アジアの観点から共産主義運動を中心に朝鮮の独立運動をとらえ直した『朝鮮独立運動と東アジア―1910-25―』(小野容照、思文閣出版、2013年)の書評を書き、学術誌に掲載した。
第三に、戦前期の早稲田大学に集ったアジアからの留学生に関して、中国・台湾研究者とともに共同研究を進めてきた。出版は2015年度になるが、それに向けての準備を2014年度を通して着実に積んできている。
第二に挙げた『朝鮮独立運動と東アジア』の書評と第三の研究活動こそ、本研究課題である「東アジアの知の交流」に直接関わる、もっとも重要な研究成果といえる。なお、第一と第二の『北方部隊の朝鮮人兵士』の書評も、大正・昭和初期と設定した本研究課題の東アジア、そしてその歴史が今現在の東アジアに残したものを考える上で、非常に大きな意義を持つものと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の研究計画としては、2014年度(平成26年度)には、本研究の核心たる部分、つまり研究協力者との連携を通じて、中国・台湾との関係を分析し、その成果を論文としてまとめて学術誌に掲載する予定であった。もちろん、戦前期の早稲田大学に集ったアジアからの留学生に関して、中国・台湾研究者とともに共同研究を進めてきているため、研究計画が完全に遂行されたなかったとはいえない。しかし、資料調査を充分に行えず、論文を書く段階までには至ることができなかった。そのため、「やや遅れている」と評価した次第である。

Strategy for Future Research Activity

2015年度(平成27年度)には、まず第一に、上記「研究実績の概要」の第三で言及した、戦前期の早稲田大学に集ったアジアからの留学生に関する共同研究の成果として書籍を出版(9月ころ)する予定である。その中で、戦前の早稲田大学に集った朝鮮人留学生の全体の流れと、社会学者であり戦前戦後の朝鮮と日本のスポーツとオリンピックを語る上で欠かせない人物である李相佰を取り上げて、植民地から宗主国日本への「留学」が持つ歴史的意味を分析する内容の論文を掲載する。それに向けての準備を着実に進めていく。
第二に、年度内に初稿を完成することを目標に、当初の研究計画の最終段階であった朝鮮人留学生と東アジアの知のネットワークに関する書籍を出す準備を進めていく。

Causes of Carryover

所属機関における仕事(個人の研究活動以外)により、2014年度(平成26年度)に予定していた台湾と中国での資料調査などの研究活動ができなかったことが一番の原因であると考える。

Expenditure Plan for Carryover Budget

まず、2015年度(平成27年度)5月にドイツで行われる「ヤスクニ行動inドイツ」に参加する予定である。東アジア内部だけでなく、ドイツを中心とする西欧圏(ほかのヨーロッパの国やアメリカからの参加もある)と東アジアの出会いの場において、植民地支配と戦争に関する最新の研究を学び、研究に活かす予定である。
次に、2015年度(平成27年度)内には、2014年度(平成26年度)に果たせなかった台湾と中国での資料調査を必ず行う予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 日本そしてサハリンへ送られた朝鮮人兵士の軌跡を丹念に追う(北原道子『北方部隊の朝鮮人兵士-日本陸軍に動員された植民地の若者たち』現代企画室、2014年の書評)2014

    • Author(s)
      ベヨンミ
    • Journal Title

      インパクション

      Volume: 195 Pages: 136-137

  • [Journal Article] 小野容照『朝鮮独立運動と東アジア―1910-25―』(思文閣出版、2013年3月)書評2014

    • Author(s)
      ベヨンミ
    • Journal Title

      日本植民地研究

      Volume: 26 Pages: 59-64

  • [Book] 『関東大震災記憶の継承-歴史・地域・運動から現在を問う』第13章「関東大震災時の朝鮮人留学生の動向」2014

    • Author(s)
      高野宏康・田中正敬・山田朗・坂本昇・米倉勉・北原糸子・東海林次男・椎名則明・鄭栄桓・西崎雅夫・小笠原強・呉充功・小園崇明・ベヨンミ・飛矢崎雅也・藤田廣登・本庄十喜・宮川英一
    • Total Pages
      301(209-222)
    • Publisher
      日本経済評論社

URL: 

Published: 2016-06-01  

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