2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of Inheritance of Traditional Ecological Knowledge among Hunter gatherers in Tropical Africa
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25870969
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
服部 志帆 天理大学, 国際学部, 講師 (50512232)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 狩猟採集民 / 植物知識 / カメルーン / マレーシア / 熱帯雨林 |
Outline of Annual Research Achievements |
数年の間、体調不良のために地理的に遠いアフリカにおけるフィールドワークがほとんどできなかったため、これまでのデータ分析と新たに収集した文献、先進国における国際学会での学術交流や情報交換によって、研究を行った。体調が改善したときに、地理的に近いマレーシアにおいてフィールドワークを実施した。アフリカの狩猟採集民の伝統的な知識が維持される条件としては、森林保全を文化的な観点から分析して提案を行った。知識の習得については論文を作成中である。アフリカに行けなかったので、東南アジアとアフリカの狩猟採集民の知識を比較した。マレーシアのプナンを対象にフィールドワークを行い、東南アジアの狩猟採集民の知識の集団差・個人差に関する情報を収集した。東南アジアの狩猟採集民プナンを長年研究してきた小泉都博士と共著論文を作成し、熱帯雨林における狩猟採集民の知識の特性を明らかにした。この比較研究では、どちらも非常に多くの植物を認識・命名しているが、食用については東南アジアの狩猟採集民が、薬についてはアフリカの狩猟採集民がより多くの知識を持っていることがわかった。物質文化については同等である。このような知識の差を自然環境、言語環境、移動史、生活変容などから検討し、知識が維持および変容する要因について論じた。アフリカにおいて活発なフィールドワークができなかったが、マレーシアにおける調査や比較研究を行い、異なる視覚から知識の研究を実施した。
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