2014 Fiscal Year Annual Research Report
「傷つき体験」からの回復・適応・自己成長を促す効果的な内省方略及び支援法の解明
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25871004
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田部 貴子 福岡工業大学, その他部局等, その他 (80567389)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心理的距離 / レジリエンス / 傷つき体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.平成25年度までにネガティブな感情を伴なう体験の内省における視点の置き方(「当事者視点」VS.「観察者視点」)により,体験の捉え方や自己成長にどのような違いが見られるかを検討する実験を実施していた。その分析の結果,全体として視点操作の効果は見られなかったものの,個人特性(普段から行っているネガティブな体験の処理の仕方のタイプ分け)と視点の置き方との交互作用が見出された。また,前回の実験では,自己成長という側面での測定方法及び操作が不十分であった。これらの結果を踏まえて,平成26年度には,実験計画を再構築して実験を実施した。
2.心理的回復や心理的距離を客観的に測定できる道具の開発のために,脳波計,心電図計,皮膚インピーダンス計等を用いて,測定指標と手法を模索してきた。現時点において,α1波・α2波・SIL・SIRなどの指標の組み合わせにより,過去体験を想起しているときの思考の切り替え(例:ネガティブな体験を思すのをやめてニュートラルな体験を思い出す)の柔軟性を測定することを通じて,心理的回復の度合いや特定のイベントの記憶に対する耐性を測定しうる指標及び方法を見出している。
3.過去の傷つき体験の捉え方の変化のプロセスを縦断的に解明するために,調査協力者3名を対象としてインタビューを実施し,過去のネガティブな体験に関する処理の仕方,主観的な心理的回復度やレジリエンスを詳細に捉えるとともに,上記2の測定を実施し,その関連性について考察を行った。
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Research Products
(2 results)