2014 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスにおける分節化RNAゲノムパッケージング機構の解析
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25871077
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
滝沢 直己 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (50448502)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / ウイルスゲノム / RNAウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は平成25年度に作成したHAタンパク質を発現しないウイルス(HAstopウイルス)感染細胞におけるウイルスゲノムパッケージングの解析およびウイルス粒子にパッケージングされるために必要な塩基の同定を行った。 HAstopウイルス感染細胞において、転写、複製、ウイルスゲノム輸送、出芽を野生型ウイルス感染細胞と比較した結果、子孫ウイルス出芽が減少していることを明らかとした。インフルエンザウイルスは脂質ラフトから出芽する報告がなされていることから、HAstopウイルス感染細胞から脂質ラフト画分を分離し、脂質ラフト画分に回収されるウイルスタンパク質について野生型ウイルス感染細胞と比較を行った結果、脂質ラフト画分中に回収されるウイルスゲノム結合タンパク質が減少していることが示唆された。 HAまたはM2をコードする分節の一部にランダムな配列を持つウイルスをMDCK-HAまたはMDCK-M2細胞を用いて継代を行い、選択を受け優先的にパッケージングされる配列の解析を行った。Stopコドンの挿入によりウイルスがコードするHAタンパク質またはM2タンパク質は発現しない系を構築しているので、選択される配列はタンパク質発現ではなくゲノムパッケージングによるものだと考えられる。継代1代目、3代目、5代目のウイルスプールを回収後、RNA抽出を行い、ランダム配列が挿入されている部位について、支援型新学術領域「ゲノム支援」の支援を受け、次世代シークエンサーにより読み取りを行った結果、主にM2をコードする分節において選択を受ける塩基が同定された。同定された塩基に変異を入れた組換えウイルスを作成し、転写、複製、出芽について解析を行った結果、ウイルスゲノムからの転写、複製に変異の影響はなく、感染細胞上清中に回収されるウイルスゲノム量の低下が確認された。
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Research Products
(5 results)