2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25882044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
宮本 俊朗 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (30709340)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 骨格筋電気刺激 |
Research Abstract |
【研究の目的】糖尿病患者は年々増加しており、医療経済にも大きな影響を与えている。運動療法は糖尿病治療の柱であるが、高齢化に伴い、運動療法を実施できない患者が多くなっていることは社会的な問題といえる。近年、運動が実施できない寝たきり患者などへの代替手段として、骨格筋電気刺激が注目されており、研究代表者は骨格筋電気刺激が2型糖尿病患者の食後血糖値の上昇を抑制できるなど急性効果を明らかとしてきた。しかし、中・長期的にトレーニングとしての効果は明らかとなっておらず、本研究では、骨格筋電気刺激の中期的なトレーニングが血糖コントロールに及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。本研究によって、寝たきり患者や整形外科疾患などの運動を実施できない患者への応用が可能となるため、医療・介護分野への貢献は大きいと考えられる。 【研究計画の実績】本研究では、平成25年度に健常者で継続的な電気刺激の有効性と刺激条件を確認し、平成26年度に糖尿病患者への臨床研究を実施することを計画している。 平成25年度の研究実績 平成25年10月~平成26年1月において、健常大学生11名を対象として実施した。対象者は骨格筋電気刺激を週4回、4週間実施した。刺激強度は事前に設定した3-4METsとし、1回30分間実施した。平成26年2月に全てのデータを解析した結果、介入前後において、体重、体脂肪率は有意な変化を認めなかったが、持久力の指標である最大酸素摂取量、換気性作業閾値や膝伸展筋力に有意な改善を認めたことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の予定は、健常者を対象として電気刺激の中・長期的効果の検証を行うことであり、予定通り実施することが可能であった。平成25年度の検証によって、骨格筋電気刺激が筋力改善、持久力改善に有効なトレーニングツールであることが明らかとなり、代謝疾患である糖尿病患者の筋機能を改善し、糖代謝の改善に有効である可能性が示唆された。このことから、平成26年度には、糖尿病患者に臨床応用を実施し、研究目的である骨格筋電気刺激の中期的なトレーニングが2型糖尿病患者の血糖コントロールに及ぼす影響を明らかにすることが可能ではないかと考えられる。以上のことから、研究計画は予定通り進んでおり、何ら問題ないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2型糖尿病患者における骨格筋電気刺激のトレーニング効果の検証を行うことを予定している。平成26年4月~9月において、対象患者のリクルートメントを行い、当該施設と連携して、計画実施の環境を整える。その後、平成26年10月~平成27年2月において、15名程度の2型糖尿病患者を対象として、4週間の骨格筋電気刺激介入を実施する。刺激装置、刺激条件は、平成25年度と同様とし、実施時間帯は低血糖発作を考慮し、食後での実施とすることとする。その後、介入前後における 実験データの解析と血液データをはじめとする結果の整理を行う。 平成25年度、26年度に実施した研究結果については、誌上、および国内外での発表を行う予定としている。
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Research Products
(2 results)