2014 Fiscal Year Annual Research Report
光励起電子スピンを用いた動的核偏極による希少天然存在核の検出
Project/Area Number |
25887054
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
立石 健一郎 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 特別研究員 (80709220)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 核磁気共鳴 / 動的核偏極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、光励起三重項電子スピンを用いた動的核偏極(トリプレットDNP)による核スピンの高偏極状態生成法をNMR分光法に組み込むための基礎研究である。前年度はレーザーやマイクロ波共振器等装置系の開発を行ったが、本年度は試料の開発に注力した。 可溶性ペンタセン誘導体を偏極源に用いて、エタノールと水の混合液・トルエンとベンゼンの混合液・ベンゼンとポリスチレンの混合液中の1Hスピンに対して、0.65テスラ・100ケルビン下でトリプレットDNPを行うことに成功した。これまでペンタセンを用いてトリプレットDNPを行っていたがほとんどの有機溶媒に難溶であったのに対し、この新たな偏極源は多くの有機溶媒に溶かすことができ、様々な分子にトリプレットDNPを適用することができるようになった。今回は市販されているペンタセン誘導体を用いたが、今後より適した分子を合成していくための有益な知見を得た。この成果は、化学分析への応用への重要なブレイクスルーと成り得るであろう。 ペンタセン誘導体のホストとなる有機溶媒のスピン格子緩和時間に関する研究を行った。市販品の純度では不十分で、蒸留などの精製が必要であることが分かった。 1Hスピンの高偏極状態を交差分極シーケンスで13Cスピンに移すための二重共鳴回路を作成した。しかし、高偏極13Cスピンの信号観測には至らなかった。二重共鳴回路の照射効率や測定感度・1Hスピンの偏極率など、まだいくつか改良の余地があり、十分な強度の信号が得られなかったことが原因であると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)