2013 Fiscal Year Annual Research Report
多元素添加非晶質リン酸カルシウムコーティング薄膜の創成
Project/Area Number |
25893018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横田 聡 東北大学, 大学病院, 医員 (50705720)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | インプラント / リン酸カルシウム |
Research Abstract |
本研究では、歯科用インプラント表面への非晶質リン酸カルシウムコーティングによる骨形成の有用性について評価することを目的とした。非晶質リン酸カルシウムは、生体内で早期に吸収されるため、コーティングとして使用する場合に、周囲組織へのリン酸カルシウムの供給源となると考えられたためである。 今年度は、インプラント表面へマグネトロンスパッタリング法を用いて非晶質リン酸カルシウムをコーティングし家兎大腿骨・脛骨への埋入を行った。対照群として未コーティングのインプラントを使用した。埋入後の待機期間として1,2,4週間を選択し、力学的・組織学的評価を施行した。 力学的評価として埋入されたインプラント除去時のトルク検査等で行った。また組織学的評価として非脱灰研磨標本を用いて、インプラント-骨接触率および電子顕微鏡によるインプラントスレッド内の骨占有率を測定した。 その結果、非晶質リン酸カルシウムコーティングされたインプラントはコントロール群に比較し有意に骨形成を促進すること、また機械的嵌合力が有意に高くなることが示された。また、埋入後2,4週間で摘出したインプラント表面には非晶質リン酸カルシウムを認めなかったため、これらは生体内で早期に吸収されることが確認された。非晶質リン酸カルシウムは生体内で早期に溶解し周囲骨組織へのリン酸カルシウムの供給源となるため、骨形成が促進されると考えられる。本研究結果は、Implant Dentistryへ投稿し受理されている。2014年内に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験で歯科用インプラント表面への非晶質リン酸カルシウムコーティングの有用性を示し、それを査読付雑誌に投稿、受理されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他元素添加リン酸カルシウムコーティングへと発展させ、骨形成を最も促進と考えられる元素、含有比率についてIn Vitroで検討することを主目的とする。
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