2014 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるダイオキシン受容体を介した増殖および浸潤・転移抑制メカニズムの解明
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25893022
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日吉 裕美 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10406530)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 乳がん / ダイオキシン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乳がんにおける芳香族炭化水素受容体 (AhR) を介した増殖および浸潤・転移抑制メカニズムの解明を目標とし、当該年度は①乳がん細胞における AhR による CHIP の転写制御機構、② in vivo における AhR を介した抗乳がん作用について検討を行った。 昨年度、AhR リガンドである YL-109 が乳がん細胞において CHIP の発現量を増加し、この増加は AhR ノックダウンにより抑制されることを見出した。そこでまず、YL-109 による CHIP の増加が転写レベルによる制御かについて、転写活性化能、転写量、転写調節領域への AhR のリクルートの面から検討を行った。YL-109 は乳がん細胞において、CHIP 遺伝子の転写活性を上げ、転写量の増加を引き起こした。また、CHIP 遺伝子上流には AhR が結合するとされているコア配列が存在することを見出し、YL-109 刺激によってその領域に AhR がリクルートされることを示した。これらの結果から、乳がん細胞において AhR が転写レベルで CHIP の発現を調節していることが示唆された。さらに、CHIP ノックダウンにより、YL-109 の抗乳がん作用が認められなくなったことから、YL-109 の抗乳がん作用メカニズムは AhR を介した CHIP 増加によることが示唆された。 これまでに示した in vitro における AhR の抗乳がん作用が、in vivo においても見られるかについて検討を行った。マウス皮下に移植した乳がん細胞による腫瘍増殖に対して YL-109 は抑制効果を示した。また、マウス尾静脈内に乳がん細胞を注入することによる肺転移に対しても YL-109 は抑制効果を示した。これらの結果から、YL-109 は in vivo においても抗乳がん作用を発揮することが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Hepatic rRNA transcription regulates high-fat-diet-induced obesity.2014
Author(s)
Oie S, Matsuzaki K, Yokoyama W, Tokunaga S, Waku T, Han SI, Iwasaki N, Mikogai A, Yasuzawa-Tanaka K, Kishimoto H, Hiyoshi H, Nakajima Y, Araki T, Kimura K, Yanagisawa J, Murayama A.
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Journal Title
Cell Rep.
Volume: 7
Pages: 807-820
DOI
Peer Reviewed / Open Access