2013 Fiscal Year Annual Research Report
視覚的情報による精密な輸液投与速度管理を支援するシステム開発
Project/Area Number |
25893200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
田中 範佳 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (40707337)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 輸液管理 / 医療 / 医療安全 |
Research Abstract |
救急救命センターや手術室での患者の身体状態が不安定な場合や疾病等によって体液の恒常が維持できない場合に薬液を循環系に直接投与できる輸液療法は必要不可欠である。投与された薬液は急速に身体に作用するため、看護師は投与量の管理には注意を払っているが、過剰や過少投与のアクシデント・インシデントの報告が絶えない。正確な輸液投与量の±10%の範囲内は26%、有害な事象は3%から5%と報告され、軽視できない問題である。医療の現場において輸液療法は大変重要であり、看護師に与える不安やストレス等の精神的負担は極めて大きい。そこで、安全性・正確性の高い輸液管理を支援する看護用具を開発することとした。安全性・正確性の高い輸液管理に寄与する試作モデルを作製するために、デザイン思考・ISO13407に基づく人間中心設計プロセスを用いて求められる機能を満たすまで3次元CADソフトにて最適な形を造形を行い、最適なデザインについて検討した。輸液管理を支援する看護用具は輸液筒の側面に指示量の滴下を表示し、点滅によって滴下速度を確認でき、目的の投与量に合わせることができるモデルを最適なデザインとした。輸液筒の側面に設けた指示量の滴下表示は単一のLEDでの明確な表示が最も望ましいことを明らかにした。また、臨床評価に向けて、輸液投与量の計測は輸液筒の両側に赤外線発光部素子と受光部素子を設けた輸液の滴下を検知できるシステムを構築することができた。輸液の滴下を検知できるシステムの精度について画像解析から確認し、ワイヤレス機能を有した臨床評価が可能な試作モデルを完成させ、臨床評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は安全性・正確性の高い輸液管理に寄与する試作モデルを作製するために、デザイン思考・ISO13407に基づく人間中心設計プロセスを用いて求められる機能を満たすまで3次元CADソフトにて最適な形を造形を行い、最適なデザインについて検討できた。また、臨床での評価に向けて、高い精度で輸液速度を検知できるシステムの構築ができ、準備が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床評価に向けて試作モデルを完成させ、静岡県立大学倫理委員会・実施病院臨床研究審査委員会の承認を受け、臨床で評価していく。
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Research Products
(1 results)