2013 Fiscal Year Annual Research Report
緊急帝王切開を受けた女性の産後3~4か月までの心理的プロセスに関する研究
Project/Area Number |
25893231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
谷口 綾 杏林大学, 保健学部, 助教 (30713565)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 緊急帝王切開 / 心理的プロセス |
Research Abstract |
本研究は、緊急帝王切開を受けた女性の妊娠中から産後3~4か月までの心理的プロセスを概念化することで、妊娠中から産後にかけての具体的な看護支援(妊娠中の保健指導、分娩前教育、分娩中の精神的ケア、出産体験を踏まえた産後の心理・社会的サポート等)への示唆を得ることを目的とする。本年度は下記のように研究を進めた。 1.学会参加を通して具体的な研究計画を練っていった。出産体験に関しては、分娩直後だけでなく、産後の育児に対する心理も考慮して、中長期的な支援が求められるという発表があった。また妊娠期から分娩、産褥・育児期にかけての継続支援の必要性も挙げられ、本研究の意義・重要性を再確認することができた。産後の育児に対する心理も考慮する必要があることから、産後3~4か月の面接において、育児に対する思いや出産体験の育児への影響等に関する質問を追加することとした。 2.倫理審査を受けるにあたり、研究計画の内容を推敲し、一部修正した。当初は面接に加え、分娩による心的外傷後ストレスと育児ストレスの程度を質問紙にて調査し、質的データを分析する際の指標とする計画であった。しかし、心的外傷後ストレスを測定するIES-RはPTSDの診断ツールでもあり、本研究の使用目的にそぐわないことから、面接のみの調査が妥当であると判断した。また、緊急帝王切開とPTSDの関連を考慮して、その関連性および対処法について、研究計画書と対象者への説明書に明記した。 3.倫理審査の審議と並行してインタビュー技術について学習し、面接の展開方法を検討した。 4.倫理審査委員会の承認を受けた後、本年度は1名の産褥入院中の面接調査を行った。特に問題なく実施できており、今後は対象を増やし、継続比較・理論的サンプリングを行いながら理論構築および看護支援の検討を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は平成25~26年度で行い、平成25年度はまず、倫理審査委員会の承認を得た上で5名程度の調査を行う計画であった。しかし、倫理審査を受けるにあたり研究計画を見直す必要があったため、倫理審査委員会の承認を得る時期が遅れ、結果的に1名の調査しか行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進行状況がやや遅れていること、およびグラウンデッド・セオリー・アプローチは本研究のような限局したテーマでは10名程度でも分析可能なことから、対象者の目標数を15名程度から10名程度に減らすこととした。研究協力施設の緊急帝王切開の頻度から、平成26年度半ばまでに10名程度のリクルートができると考えられる。また、面接調査と分析を同時に進めていくためには、作業の効率化を図っていく必要がある。面接データの逐語化について、初めの3例程度は面接の内容や展開方法を検討するために研究者自身が行い、その後は業者に依頼していく。そして分析作業をスムーズに行うために、本年度購入した質的データ分析ソフトを活用していく。
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