2013 Fiscal Year Annual Research Report
僧帽筋炎に随伴する顔面部異常疼痛発症に対するp38及びcaspase1の関与
Project/Area Number |
25893261
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
韓 仁陽 (清本 聖文) 日本大学, 歯学部, ポスト・ドクトラル・フェロー (00712556)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | microglia / p38MAPK / IL-1β / caspase-1 / 顎顔面部異常疼痛 |
Research Abstract |
本研究は僧帽筋炎によりVcおよびC1-C2領域において活性化するmicrogliaからのサイトカイン放出に対するp38および caspase1の役割を解明することにある。実験計画は、ラットの僧帽筋にCFAを注入し、僧帽筋炎モデルラットを作製し、以下の通りに進めていく予定である。 1.疼痛関連行動、延髄及び上部頸髄におけるmicroglia活性化およびp38リン酸化に対するp38リン酸化阻害の効果を解析する。 2.microglia でのIL-1β合成にたいするp38リン酸化およびcaspase1活性化阻害の効果を解析する。 3.VcおよびC1-C2ニューロンの興奮性の変調にたいするp38リン酸化阻害の効果を解析する。microgliaからのIL-1β放出量の経時的変化を解析する。 現状までの実績として、1における疼痛関連行動及びmicrogliaの活性化とリン酸化に関しては実験結果を出ており、CFAを僧帽筋に注入することによって、行動学的な変化とそれに関わるmicrogliaの活性が示唆されるデータが得られている。また、2・3においてcaspase-1の実験内容に以前着手できていないが、p38リン酸化阻害剤を用いることにより行動学的な変化とVcおよびC1-C2ニューロンの興奮性の変調を認めており、解析が進んでいる状況である。今後、データの解析精査を行い、残りの実験を早い段階で行っていければと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
僧帽筋へのCFA注入によるラットの行動学的変化に対して、microgliaの活性化とp38MAPKのリン酸化が関与するであろうデータが得られ、さらにp38リン酸化阻害剤により薬理学的な行動変化が認められ、Vc、C1-C2におけるニューロンの変調を示唆するデータが得られた。ここまでは、概ね計画通りであると考えている。しかしながら、Vc、C1-C2におけるニューロンにおける変調の解析が不十分な部分もある為、追加実験の可能性も現状考えられる。さらにcaspase1における実験については現在着手できていない状況である。特にcaspase1については入手するまでに多少時間がかかり、加えて私用であるが所属大学の異動があった為、腰を据えて研究を行える時間が2-3月で少なかった。現状、徐々に軌道に乗り始めている為、当初の実験をできる環境を整え始めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、caspase1を入手している為、実験に関しては多少の遅れはあるものの、推進して行くと考えている。ただし、現状、懸念している問題は所属大学を異動したことにより研究室に機器・備品等が足りない可能性があり、今、この問題に関しては急いで対応しているところである。この件における対応策としては、時間的制約は生じるであろうが、以前所属していた大学研究室とコンタクトをとり、場合によっては研究室の借用ができないか対応させていただこうと考えている。特に、Vc、C1-C2におけるニューロンの変調を記録する実験に関しては、本対応を考えなければならないかもしれないとみている。
|