2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨伝導性と加工性を調和させた網目状構造を有する新規骨再生用足場材の創製
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25893284
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
荒平 高章 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (30706958)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | Scaffold / 力学特性 / β-TCP / PLLA / 骨再生 / 多孔質構造 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
βリン酸三カルシウム(β-TCP)は骨再生用の足場材として広く用いられ,ポリ乳酸(PLLA)は機械的強度を向上させることが可能である.したがって,本研究では骨再生用の足場材としてPLLAによる3次元網目状構造を多孔質β-TCP足場材表面に導入した新規多孔質足場材を作製することを目的とした.前年度では,コーティングするポリ乳酸の含有濃度を変化させると,網目状構造の網目の大きさが変化することが分かり,また濃度によってはコーティングのみで網目状構造が形成されないものも存在した.したがって,コーティングする際の濃度を変化させることで,目的に応じた様々な2相構造型足場材の作製が可能となった.本年度は,作製したscaffoldを用いて間葉系幹細胞培養を行った.その結果,網目構造が全体にわたり構築されていた0.7wt%において4週にわたって高いALP活性値を維持していた.1週ではすべてのPLLA濃度群で差異は認められなかったが,2週以降で,0.7wt%が高い活性値を示していた.次いで,2.0wt%よりも0.5wt%の方がわずかに高い活性値を示した.これは,β-TCP表層がPLLAで完全に被覆されているために,β-TCPの持つ骨芽細胞分化能効果が他の濃度に比べてPLLA層に阻害されていたことが示唆される.さらに,SEM観察より,培養1週で0.7wt%,2.0wt%において表面での細胞増殖,細胞外マトリクスの旺盛な形成が認められた.一方で,0.5wt%では,細胞の接着は認められるものの,他の濃度に比べ,増殖挙動や細胞外マトリクス形成は劣っている様子が示唆された.また,0.5wt%では,表層のPLLA膜が図中では確認できなかったことから,培地浸漬に伴い,表層のPLLA膜が剥離してしまったことが考えられる. 以上の結果から,網目状構造を導入することによって,β-TCPの持つ骨芽細胞分化能効果を有しつつ,PLLA膜による力学特性向上効果及び,構造安定性効果を付与した新規多孔質3次元足場材の作製に成功した.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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