2019 Fiscal Year Annual Research Report
健康長寿のための普遍的代謝調節経路の包括的・発展的研究
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26000012
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Principal Investigator |
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員
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Project Period (FY) |
2014 – 2019
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Keywords | 糖尿病 / 細胞内シグナル伝達 / 生体分子医学 / 健康長寿 / アディポネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
地球上の全ての生物の進化は、飢餓や低栄養に対する適応の歴史であり、生物の寿命はこれらの環境因子によって規定されてきた。実際、低栄養やそれに伴う免疫力の低下、感染症がヒトの死亡の主因を占めていた。ところが20世紀後半より、歴史上経験のない過栄養の時代を迎え、その過栄養が生活習慣病などの疾患を引き起こし、寿命短縮の原因になっている。このような短期間の劇的な栄養・環境の変化によってもたらされる問題の抜本的解決には、様々な栄養・環境状態における生物の普遍的生命現象の根源の俯瞰的解明と、その破綻メカニズムの理解が不可欠である。本研究課題では、健康長寿のための普遍的代謝経路の解明とその実現への方法論を確立することを目的とする。 1、寿命延長効果をもたらす高等生物に適したカロリー制限の科学と方法(栄養素の量と質)を明らかにする。様々な栄養条件下での寿命関連臓器や代謝関連臓器における生物学的反応やその代謝調節機構を明らかにし、健康長寿に最適な摂取カロリーバランスと新規栄養シグナルを明らかにした(論文投稿中)。2、健康長寿を制御する普遍的シグナルを同定する。AMPK/SIRT1依存的/非依存的寿命延長経路の細胞内シグナル、臓器間ネットワークをAdipoRアゴニストとAdipoR各種遺伝子改変動物を組み合わせ、オミクス解析・個体レベルでの代謝解析により、寿命延長効果を検討した。これまでの結果を統合的に解析し、健康長寿を制御する普遍的シグナルを同定した(論文投稿中)。3、代謝制御経路を基盤にした健康長寿実現に向けた科学と方略を確立する。AdipoRon (Nature, 503, 493, 2013)より、高活性・特異性の高い低分子化合物を取得し、ヒトへの効果、有効性を検討し、安全性試験等も終了した。臨床に向けての基盤データが整い、開発候補品となる化合物の取得に成功した(論文投稿中・特許2件取得)。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Prolyl hydroxylase domain inhibitor protects against metabolic disorders and associated kidney disease in obese type 2 diabetic mice.2020
Author(s)
Sugahara M, Tanaka S, Tanaka T, Saito H, Ishimoto Y, Wakashima T, Ueda M, Fukui K, Shimizu A, Inagi R, Yamauchi T, Kadowaki T, Nangaku M
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Journal Title
J. Am. Soc. Nephrol.
Volume: 31
Pages: 560-577
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Differential effects of diet- and genetically-induced brain insulin resistance on amyloid pathology in a mouse model of Alzheimer's disease.2019
Author(s)
Wakabayashi T, Yamaguchi K, Matsui K, Sano T, Kubota T, Hashimoto T, Mano A, Yamada K, Matsuo Y, Kubota N, Kadowaki T, Iwatsubo T
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Journal Title
Mol. Neurodegener.
Volume: 14
Pages: 15
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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