2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26240003
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鎌倉 稔成 中央大学, 理工学部, 教授 (40150031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 則生 中央大学, 理工学部, 教授 (10182940)
栗原 考次 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (20170087)
小西 貞則 中央大学, 理工学部, 教授 (40090550)
西井 龍映 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40127684)
宿久 洋 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (50244223)
尾形 良彦 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (70000213)
矢島 美寛 東北大学, 経済学研究科, 客員教授 (70134814)
山田 正 中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 点過程 / 災害の数理モデル / 線分の空間モデル / 活断層 / 地震 / 津波 |
Outline of Annual Research Achievements |
各研究分担者は,昨年に引き続き,災害のリスク評価,点過程の拡張と災害の数理モデル,拡張された点過程の統計的性質等の研究分野について,着実に研究を進めており,同志社大学における公開科研費シンポジウム 「空間データと災害の統計モデル」でその成果を確認しており,Webにも公開している.その主な内容は以下の通りである."On estimation of intrinsic stationary random fields", 「災害予測のための尾根線・谷線のスムージング」,「突発事象の初発例を評価するための予測的視点」,「 窓打ち切り状況下の線分過程の推測について」,「主成分正準相関分析を用いた気候モデルによる地域気候変化予測」,「GPS変位データの可視化」,「地殻変動の空間的変位点検出」,「豪雨による洪水と内水氾濫の同時頻度解析」,「2015年9月関東・東北豪雨災害時の鬼怒川流域における降雨流出・氾濫特性に関する研究」,「不確実性を有する物理システムの予測に関する研究~降雨流出過程への応用~」,「土砂移動分布図からの土砂崩れ状況の考察」,「熊本地震のTweetデータの解析」である, 活断層の統計モデルの1つである線分の角度データの研究では,角度データに関するクラスタリングについても新たなアルゴリズムを作ることができ,成果の一つと考えられる.また,津波の溯上データはメッシュデータを取り込み,Poincare Cone凸包を利用した新しい津波のリスク解析が可能となった.この結果は現在論文誌に投稿している. 今後の課題として,個々の研究者の研究を深めるだけでなく,より一層の連携を考え,総合的に良いリスク評価モデルを構築していくことを考えている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の役割等を踏まえて,科研費シンポジウムにおいて,研究成果の進捗状況,研究の成果を確認しており,おおむね順調に推移していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
Poincare Coneを利用した津波の溯上のリスク解析については,一通り完成したと考えられるので,次に,3次元における境界領域の形成のアルゴリズムの展開を計画している.地震の発生機序にも関係するプレート境界面のよりリアルな推定が可能になると考えられる.通常は,地震の震源の3次元プロットに適当な曲面をあてはめることによって行われるが,ノンパラメトリックな推定法である,凸包を一般化したPoincare Coneの3次元アルゴリズムにより,精度の高い境界面が推定可能となる. また,線分の空間モデルの中心となる角度データの検定について,これまでの研究でわかっていなかった,多峰性を持つ角度データでは,非一様性を対立仮説としたとき,十分な研究出力が得られないことが本研究代表者の研究成果でわかってきている.これを補うにはRao検定の詳細な研究が必須である.Rao検定の検出力の計算は,スターリング数の性質を利用した整数計算の精度が高く,高速のアルゴリズムの開発が必要で,この点も研究を進めていく予定である. 線分の空間モデルにもう1つの重要なパラメータである長さの分布についても,これまで,1次元のアルゴリズムを論文として投稿してきたので,2次元に拡張する予定で考えている.
|
Research Products
(38 results)