2015 Fiscal Year Annual Research Report
Research of a Control Method of Rehabilitation Robot to Induce Embodiment in the Brain
Project/Area Number |
26242061
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤江 正克 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (20339716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 研究部長 (40360680)
横井 浩史 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90271634)
小林 洋 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 主任研究員(研究院准教授) (50424817)
中島 康貴 九州大学, 工学研究院, 助教 (00632176)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 福祉ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,使用者が脳内でロボットを自身の身体の一部として知覚可能な制御技術の開発を目指している.「道具の身体化」という脳内の認知モデルに着目し,ロボット・人間一体型という一個体として制御することを目的とする.2年目の成果を以下に記す. 1.身体化を脳内に誘発可能な制御:機械的な皮膚表面形状の変化である筋隆起を電動義手の関節角度制御の入力信号に使用する方法を非切断者と上肢切断者において検討した.上肢切断者における計測実験を行った結果、再度計測機器を調整する必要が生じた.非切断者における成果から身体化を脳内に誘発するための制御手法として新たな知見を得た. 2.身体化を知覚可能な義肢の実装: 義肢の身体への密着性を向上するため、伸縮可能なバンド型の筋電センサを開発し,基本把持機能を有する低自由度の筋電義手に実装した.また,3Dプリンタを使用した義肢装具の設計開発を行うため,造形物の力学特性の評価を行った. 3.身体化による全身協調動作の評価:身体に障害を持つ患者や身体機能が低下した高齢者のためのリハビリ訓練を対象とし,脳内における動作イメージと実空間における身体の軌道の一致度合いを検討した.1次操作系として、高齢者が歩行訓練を行う際に提示する視覚情報によって全身の協調度合いを評価した.また,2次操作系としてマスタスレーブ方式の手術支援ロボットを対象とし、脳活動計測を用いた操作性の評価を行うことで、全身の協調度合いと身体化の関係性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
使用者が脳内でロボットを自身の身体の一部として知覚可能な制御技術の構築に向け,おおむね予定通りに研究を進めることができた.以下に概要で示した大項目ごとにその理由を記す.1.身体化を脳内に誘発可能な制御:基礎的な検討として非切断者における筋隆起の計測に基づき,今後動力義手へと実装するための知見を得ることができた.しかし,当初予定していた上肢切断者における計測を行った結果,計測方法の改良が必要であることが明らかになり,次年度以降に切断者における有用性評価を行う必要が生じた.2.身体化を知覚可能な義肢の実装:本研究の応用先の一つである電動義手として低自由度な簡易型筋電義手を開発し,前腕切断者における評価を行った.また,これまで行ってきた多自由度パターン識別手法を改良し,電動義手へと実装した.3.身体化による全身協調動作の評価:手術支援ロボットの操作性評価においてNIRSを用いた脳活動計測を行うことで,身体化技術が延伸協調動作に有用であることを示すための知見を得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
身体の一部として知覚可能なロボット制御技術の構築に向け,各項目に関しそれぞれ以下のように研究を推進する.1.身体化を脳内に誘発可能な制御:上肢切断者における実験を行うための計測方法を改良した装置を用い,義手制御手法としての有用性を検討する.2.身体化を知覚可能な義肢の実装:今年度開発した筋電センサと低自由度筋電義手を使用し前腕切断者における評価を行うため,義手用装飾用手袋を開発する. 3.身体化による全身協調動作の評価:電動義手を操作する際に残存する他の関節に代償的な運動が生じる際の上肢動作の評価を行うことで,身体の一部として義肢を知覚する度合いを促進するための検討を進めていく.
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