2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規レーザー技術を駆使した神経・分泌機能のin vivo超解像イメージングの開発
Project/Area Number |
26242082
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
根本 知己 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (50291084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
川上 良介 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (40508818)
大友 康平 北海道大学, 電子科学研究所, 特任助教 (40547204)
日比 輝正 北海道大学, 電子科学研究所, 特任講師 (50554292)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオイメージング / 2光子顕微鏡 / インビボ・イメージング / 光脳科学 / 超解像顕微鏡 / ベクトルビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
光渦を用いた超解像顕微鏡については、昨年度までの成果を発展させ、原著論文として発表したところ、優秀論文賞を受賞した。また、マウス生体脳の深部での光学特性を定量的に測定するための方法論の開発を進めた結果、マウス生体脳の深部観察において生じる空間分解能、蛍光強度の低下は励起レーザー光が生体組織を通過する際の球面収差の発生が支配的であることが明らかになった。その結果、対物レンズとカバーガラスの浸液の屈折率の補正が分解脳の向上に効果的であることが判明した。これにより光操作への応用も検討することも可能となった。また液晶デバイスを用いたレーザー波面の操作による補償光学技術により球面収差補正を可能とし、光学ファントムや固定マウス脳サンプルの深部での蛍光シグナルと空間分解能の向上に成功し、原著論文として発表した。さらなる収差補正デバイスの検討にも着手した。一方、うつ病モデルマウスにおいて、薬物投与が樹状突起スパインの形態分布の変化について検討する系を確立した。超解像顕微鏡による観察方法を開発し、うつ病モデルマウス固定脳において、樹上突起スパインの形態変化について定量性の高い画像解析を実施した。その結果、スパイン形態の変化は、通常の共焦点顕微鏡の分解能以下のサイズの領域で発生しており、その差異は超解像顕微鏡法を用いることで初めて検出し得ることを明らかにすることに成功した。一方で、本モデルマウスを用いた長期的な生体脳イメージングに向けた技術的な要因も明らかにすることができているので、次年度は生体脳における慢性ストレス下神経回路の機能形態的な変化を追跡することが期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ベクトルビームの技術や光渦を用いた超解像顕微鏡法は、我々のグループが実施してきた日本のオリジナルな技術によるものあり、昨年度は原著論文として発表し、さらに優秀論文賞を受賞した。また透明化や超解像顕微鏡法によって、うつ病モデルマウスにおける微細な形態が変化することが示唆された。一方、液晶デバイスを用いたレーザー波面の操作による補償光学技術により球面収差補正を可能とし光学ファントムや固定マウス脳サンプルの深部での蛍光シグナルと空間分解能の向上に成功し、原著論文として発表するのと共に、特許の出願を行った。さらに高次の収差の補正に関する研究成果を推進し、査読付国際会議での発表等を実施した。当該技術はオリジナリティが高く知的財産の確保の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、新規レーザー、非線形光学、蛍光タンパク質などの技術を融合し、生きたマウス脳中での神経活動を統合的に機能可視化する方法論を展開させる。特に昨年度まで得られた研究成果に基づき、以下の点を推進する。 1.昨年度までに、マウス生体脳の深部での光学特性を定量的に測定するための方法論の開発に着手した。この成果に基づき、特異な変更分布を有する特殊なレーザー光が有する「自己治癒効果」を活用した空間分解能と深部到達性の向上についても検討する。これにより光操作への応用も検討する。また昨年度までの結果から、マウス生体脳の深部観察において生じる空間分解能、蛍光強度の低下は励起レーザー光が生体組織を通過する際の球面収差の発生が支配的であることが実証されたので、浸液や液晶デバイスを用いた補償光学の検討を推進する。また散乱体光学ファントムを用いて実験を行い、散乱の効果を検討する。 2.また、いくつかの蛍光タンパク質性のCa2+センサー分子が海馬ニューロンの活動の2光子顕微鏡による可視化解析に適用可能であることが判ってきたので、さらにin vivoで高速なイメーングを可能とするための要件を検討する。さらにin vivo Ca2+イメージングによる海馬ニューロンの活動や分泌の可視化解析法を確立する。 3.一方、新規生体適合性材料を活用することでOpen skull法によるマウス生体脳イメージングを高度化することが可能となった。その原因を分光学的に分析することで生体深部イメージングを推進する。 4.昨年度までの実験から新規透徹剤による屈折率の補正が超解像イメージングおいて重要であることが判明したので、樹上突起スパインの頭部やネックの微細形態の可視化や解析を推進する。特にうつ病モデルマウスでのスパインの微細形態の変化に着目し解析を進める。
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[Presentation] Transmissive liquid-crystal device correcting primary coma aberration and astigmatism in laser scanning microscopy2016
Author(s)
Ayano Tanabe, Terumasa Hibi, Sari Ipponjima, Kenji Matsumoto, Masafumi Yokoyama, Makoto Kurihara, Nobuyuki Hashimoto, Tomomi Nemoto
Organizer
BiOS, SPIE
Place of Presentation
The Moscone Center, San Francisco, CA (USA)
Year and Date
2016-02-07 – 2016-02-07
Int'l Joint Research
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[Presentation] 透過型液晶収差補正素子の開発と生体組織標本への応用2015
Author(s)
田辺綾乃,日比輝正,一本嶋佐理,松本健志,横山正史,栗原誠,橋本信幸,根本知己
Organizer
日本光学会年次学術講演会Optics & Photonics Japan 2015
Place of Presentation
筑波大学東京キャンパス文京校舎(東京都・文京区)
Year and Date
2015-10-28 – 2015-10-28
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