2017 Fiscal Year Annual Research Report
西洋近世・近代美術における市場・流通・画商の地政経済史的研究
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26244009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
圀府寺 司 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50205340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 裕成 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00243741)
小林 頼子 目白大学, 社会学部, 教授 (10337636)
池上 裕子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20507058)
青野 純子 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (20620462)
河内 華子 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (20709539)
桑木野 幸司 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30609441)
陳岡 めぐみ 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (50409702)
尾崎 彰宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (80160844)
上原 真依 愛媛大学, 教育学部, 講師 (90609463)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画商 / 美術市場 / ユダヤ人 / 美術経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は代表者ならびに各研究分担者の個別の出版、発表などの機会が多いことがわかったため、全体としての研究会は行わず、各研究者による国内外での調査研究・成果発表を個別に進めて行くこととした。具体的な研究領域は、近代ユダヤ人画商(S.Bingなど)、20世紀アメリカ美術(Robert Rauschenberg等)、16~18世紀ネーデルラント美術(Geldorp Golziusとドイツ、フランドル地域, 17世紀オランダ美術、18世紀オランダにおける黄金時代美術の受容)、イタリア近世から近代(近代におけるイタリア・ルネサンス美術の流通、売買)、ラテン・アメリカ圏(大陸間の美術流通)などである。研究成果や進行中の内容は、研究領域、内容、進行度や研究段階などにより、美術市場や画商を直接、中心的に扱ったものばかりではないが、もとより美術市場、画商の研究は様々な領域の基礎研究なしには進められないことを考えれば、表層的な市場研究に陥らないためにも現在のスタンスには問題はないと考える。例えば、16世紀の肖像画家の基礎研究なしには、取引や移動の実態も明らかにならない。一方、南米に保存されていた画商ビングの弟アウグストのアーカイブで現在ニュージーランドで保存管理されているものに関する調査を開始するなど、本研究にきわめて特化したものもある。次年度以降も実質のある個別研究を進めて行くと共に、より包括的な研究ビジョンを描くべく研究を進めて行きたいと考えており、そのための基礎的な研究は堅実に進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の1、2年で全体的な方向性を定め、その後3、4年次で個別研究を進め、最終年度の5年目に一定の成果と今後の発展への方向を見極めるという方針で進めてきた。4年目にあたる29年度においては各研究者が個別の領域で研究を進め、成果も徐々に出してきている。データベースの整備などの領域は予想外に情報が多く、整理も困難なので当初の目論見よりはやや遅れ気味の感はあるが、個別研究の成果を上げてそれをもとにより完成度の高いものを作成する方が適切であると考える。一方、思いがけず画商ビングのアーカイブ所蔵者との協力関係が築けるなど、予想以上の進展がある領域もある。全体をならして見た場合、概ね順調に進展してきていると考えて良いであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
資料や情報の収集、国際的な研究連携、随時成果発表などの基本的な方向性は今後も変わらない。ただ、最終年度に向けて、進捗状況、成果を持ち寄って、今後第二期の具体的な研究推進方法、体制を検討し、できるだけ年度前半には基本方針を固めて行きたいと考える。具体的には特定のアーカイブなり特定の理論的枠組みに沿った研究など、重点的に推進すべき点、研究領域を西欧とアメリカ中心からさらに拡大するかといった問題などについて、広く意見を集約しながら今後の方策を着実に確定したい。第二期についてはメンバーの入れ替えなども検討の必要があると考える。
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Research Products
(13 results)