2016 Fiscal Year Annual Research Report
日本語の時空間変異対照研究のための『全国方言文法辞典』の作成と方法論の構築
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26244024
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
日高 水穂 関西大学, 文学部, 教授 (80292358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 博史 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (90315929)
小嶋 賀代子 (下地賀代子) 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40586517)
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60315736)
小柳 智一 聖心女子大学, 文学部, 教授 (80380377)
高木 千恵 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50454591)
中本 謙 琉球大学, 教育学部, 教授 (10381196)
橋本 礼子 (舩木礼子) 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (00454736)
林 良雄 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90211490)
平塚 雄亮 志學館大学, 人間関係学部, 講師 (70757822)
前田 直子 学習院大学, 文学部, 教授 (30251490)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
三井 はるみ 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 助教 (50219672)
森 勇太 関西大学, 文学部, 准教授 (90709073)
矢島 正浩 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00230201)
山田 敏弘 岐阜大学, 教育学部, 教授 (90298315)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国語学 / 方言学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、最終的な研究成果として「活用体系編」「名詞句編」「述語句編」「接続句編」から成る『全国方言文法辞典』を作成すること、およびこの取り組みによって、日本語文法の歴史的変化と地理的変異を総合的に記述する枠組みを確立し、現代語、古典語、諸方言の文法を比較・対照する「時空間変異対照研究」の方法論を構築することを目的としている。2016年度の進捗状況は以下の通りである。 (1)研究成果報告書『全国方言文法辞典資料集(3)活用体系(2)』を刊行した。要地方言の活用体系記述として、山形県山形市方言(竹田晃子・澤村美幸)、茨城県水海道方言(佐々木冠)、群馬県藤岡市方言(新井小枝子)、東京都方言(三井はるみ)、石川県能登島方言(野間純平)、静岡県湖西市方言(森勇太)、愛知県新城市作手方言(山田敏弘)、兵庫県神戸市方言(酒井雅史)、岡山県岡山市方言(小畠裕将)、広島県三次市方言(小西いずみ)、高知県宿毛市方言(松丸真大)、大分県由布市庄内町方言(松田美香)、鹿児島県甑島里方言(平塚雄亮)、沖縄県多良間島方言(下地賀代子)の記述を収録した。これにより、2014年刊行の『全国方言文法辞典資料集(2)活用体系』に収録したものとあわせて、本土方言23地点、琉球方言3地点の活用体系記述が完成した。 (2)日本語文法の歴史的変化と地理的変異を総合的に捉える試みとして、「江戸・東京語と上方・関西語の対照研究」をテーマにした研究発表会を開催した(2017年2月28日、関西大学)。「否定疑問形による確認要求表現の東西差」(日高水穂)、「近世・近代における申し出場面の授受表現の運用―江戸・東京と上方・関西の対照から―」(森勇太)、「近代話し言葉資料における接続詞的用法―東西の選好性の相違に注目して―」(矢島正浩)の各発表に対し、意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の交付申請書に記載した研究実施計画では、『活用体系(2)』の報告書の刊行を目標にすえており、予定通りに刊行した。接続句、名詞句、述語句に関しては、2017年3月1日に本科研のメンバーによる打合せ会を行い、接続句に関する記述の方針の検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
要地方言の活用体系記述は、本土方言46地点程度、琉球方言6地点程度を目標にしており、残りの地点の記述を進めるべく、すでに原稿執筆担当者に依頼を行っている。2017年度内には、『全国方言文法辞典資料集(4)活用体系(3)』を刊行する予定である。『活用体系(3)』の原稿の締切は2017年7月末に設定し、年度末までに順次記述を整える。接続句、名詞句、述語句に関しては、特に接続句に関する記述をまとめた成果報告を行うべく、担当者による打合せ会を頻繁に行う予定である。
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Research Products
(18 results)