2017 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における林業合理化・森林管理・住民生活の為のマネジメント=モデルの構築
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26244051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 研二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20188593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 伊久雄 琉球大学, 農学部, 教授 (00252495)
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 教授 (00420414)
米 康充 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (30467716)
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
波江 彰彦 関西学院大学, 教育学部, 助教 (40573647)
小林 潔司 京都大学, 経営管理大学院, 教授 (50115846)
松島 格也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60303848)
伊藤 勝久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中山間地域 / 林業合理化 / 森林地帯 / 地域生活 / 地域政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には、研究代表者の堤は当該科学研究費のテーマに沿って隠岐の島町へ3回行き、うち1回の訪問においては約20名規模の調査員を動員しての調査を行った。それは、第四回目の隠岐の島町調査となり、林業合理化、商業・購買行動、廃校利用、その他の地域生活機能の維持に関する事項について実施したものであった。現地では、世界ジオパークに関する研究活動を行っている島根県立隠岐高等学校との研究交流も開始された。堤はさらに、大都市近郊林業地帯・林業政策・森林施策・地域計画などに関する資料収集も実施した。海外での学術発表も行った。 大田は森林認証に関する調査や、森林政策・土地所有権の研究を行った。鳴海は近代におけるさまざまな日本の絵図や地図が西洋社会で活用された事例に関する研究を実施した。西野は農山村における近代以降の電化過程や地域農林業の持続可能性に関する調査・研究を実施した。小林は災害に見舞われた山間地域などを対象とした対応策の意思決定構造その他のモデル指向の研究を行った。松島は行動モデルの構築に関わる研究に従事し、海外での学術発表も二回実施した。伊藤は森林管理、林業振興、林家の経営マインドに関する調査・研究を積極的に進めた。波江は縁辺地域の林業合理化や廃棄物処理に関する調査を精力的に行った。米は、林業現場でUAVに期待される測量や間伐指針についての実験を行うことで、その利用可能性を検討すると共に、制度上の課題もあることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の堤が主導して行ってきた、4回目となる隠岐の島町調査も終盤に差し掛かり、また、当該科研費構成メンバー(研究代表者及び研究分担者)の各人が各々の専門分野に関する調査・研究を継続してきた。研究・調査のほかに、国内外での成果発表も活発に行われた。研究期間も後半となった中で、当該研究の最終成果に向けた取り組みの山場となった平成29年度においては、時期(段階)相応以上の調査・研究の成果が達成され、また、それらを通じて知的経験が積まれ、調査先との社会的な関係もいっそう良好となった。 具体的には、林業地域・山間地域における林業合理化と地域生活機能の持続可能性を高める方策を考究し、社会経済的モデルの実装に向けての調査・研究を行うことが、本科学研究費プロジェクトの主眼となる点である。そして、その目標達成のために、本研究に参画しているメンバーは極めて積極的に調査・研究に従事してきた。そのことは、本研究の平成29年度の業績一覧等に記載される情報を見れば明らかであろう。堤による林業合理化と地域生活機能維持に関する隠岐の島町での調査を始め、大田・西野・伊藤・米による林業・森林に関する調査と研究が為され、小林と松島による社会経済モデル構築に向けての実践的なモデル研究がおこなわれた。また、過去の歴史に学ぶための調査・研究を鳴海が精力的に担った。なお、本科学研究費の各構成メンバーが各々の専門分野に関する調査・研究を行ってきたが、代表者は分担者と連絡を取り合って、相互の研究意識の共有にも努めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き各構成メンバーは各々の専門分野に即した調査・研究に従事するとともに、本科学研究費の第5年目の最終年度に入ることから、「仕上げ」の段階に入る。そのため、これまでの調査・研究を続けながらも、重点を置くべき項目や、補足的・追加的な調査について勘案しながら研究活動を行っていくこととする。 隠岐の島町調査については、本最終年度(平成30年度)に第5回目の調査を敢行し、調査成果と今後の課題の整理を行うこととする。 あわせて、国内外における研究成果発表も怠りなく行い、内外の研究者との情報交換・研究交流も実施していく。 今年度には、構成メンバーが集まる最終報告会をシンポジウム形式で開催することを予定しており、最終年度に向けた意識と目標の共有を行う予定である。この報告会では、島根県立隠岐高等学校の世界ジオパーク研究事業とのコラボレーションも実施される予定で、計画が進められている。 本研究事業については、前述のように本年度が最終年度となるため、これまでの研究成果の総括を行うことはもちろんであるが、研究のアウトカムをさらに展開させるために、次のステップでの研究プロジェクトの立案も合わせて行わなければならない。とくに、当該年度前半で立案作業を行い、最終報告会においては、その展望に関する報告も実施することとする。
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Research Products
(38 results)