2016 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナルデータの保護と利活用に関する法分野横断的研究
Project/Area Number |
26245012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中里 実 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40114582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 常寿 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20292815)
加藤 貴仁 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (30334296)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40214423)
米村 滋人 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (40419990)
岩村 正彦 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (60125995)
山本 隆司 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70210573)
樋口 亮介 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (90345249)
成瀬 剛 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 准教授 (90466730)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | パーソナルデータ / プライバシー / 個人情報保護法 / 行政機関個人情報保護法 / 社会保障・税番号 / 通信の秘密 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3年次に当たる平成28年度は、各班合同で以下の5回の研究会を開催した。第9回「個人情報保護法の実務上の諸問題について」(太田洋:弁護士、井上健二:弁護士。2016年4月14日)、第10回「個人情報の刑法的保護の可能性と限界について」(佐藤結美:上智大学准教授。4月22日)、第11回「刑事立法論としてのコンピュータ・データの無権限取得罪」(西貝吉晃:東京大学特任講師。7月26日)、第12回「犯罪捜査におけるGPS位置情報の活用とその法的規律について」(報告=尾崎愛美:慶應義塾大学博士課程、コメンテーター=山田哲史:岡山大学准教授。11月18日)、第13回「AI・ロボット社会の進展と行政規制」(横田明美:千葉大学准教授。2017年2月15日)。 研究者・実務家200名以上の参加を得て、公開シンポジウム「医学研究における個人情報保護のあり方と指針改正」(3月17日)を開催した。「医学研究における個人情報保護の概要と法改正の影響」(米村滋人:研究分担者)、「平成29年改正・人を対象とする医学系研究に関する倫理指針について」(矢野好喜:厚労省室長補佐)、「三省合同会議での議論と今後の展望」(横野恵:早稲田大学准教授)、「医学研究の現場からみた倫理指針改正の課題」(田代志門:国立がん研究センター室長)の報告があり、パネルディスカッションを行った。 また、共催した「クロアチア共和国のビジネスローの現状と課題」(2016年11月22日)では、「ヨーロッパのデータ保護改革」(Tihomir Katulic:ザグレブ大学准教授)の報告があった。 そのほか研究代表者・各研究分担者が、それぞれの分野において、パーソナルデータの保護と利活用に関する各法分野の問題状況について調査・検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーソナルデータの保護と利活用について、アメリカ・EU・ヨーロッパ諸国における一般的動向をフォローするとともに、改正個人情報保護法、刑法、刑事訴訟法、憲法、行政法、民法、医事法といった広汎な分野について、課題を明らかにすることができた。とりわけビジネス、犯罪捜査、AIの研究開発、医学研究といったパーソナルデータの利活用の場面毎の課題を掘り下げるとともに、刑事法によるデータの保護、GPS位置情報の取得・管理に対する法的規律、消費者保護、生体プライバシーといったパーソナルデータを保護すべき要請の具体的な様相について、研究組織全体での共有が図られた。得られた研究成果も、個別の論文・研究発表の形で逐次公表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度と同様、パーソナルデータをめぐる動きの背景にある諸要因等を正確に理解するために、引き続き、関係する文献の収集、パーソナルデータに詳しい実務家等へのヒアリング、日本法の考察に資する海外の法制度及び実態の調査を進める。得られた研究成果を個別の論文の形で逐次公表するほか、研究が4年目に入ったことを受けて、個別の法分野・法的問題の考察から共通の法理の構築に資する観点を抽出しつつ、研究全体の取りまとめ作業を進める。
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Research Products
(24 results)