2015 Fiscal Year Annual Research Report
その場観察法によるSi多結晶の融液成長メカニズムの解明
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26246016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70332517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沓掛 健太朗 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00463795)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2017-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 固液界面 / 不純物偏析 / シリコン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Si多結晶の一方向成長過程において、結晶粒界部分での欠陥発生について、固液界面のその場観察実験を中心に研究を行った。また、その場観察実験で得られた知見をベースに、太陽電池用Siバルク多結晶インゴットの成長技術開発も並行して行った。その場観察実験では、結晶粒界性格によって固液界面形状が平坦になる場合とグルーブが形成される場合があり、グルーブが形成されると不純物が粒界部分に集積し転位が発生することが分かった。また、固液界面において、2つの結晶粒界が衝突し新たな粒界が形成される様子を観察することに成功した。Σ3粒界とΣ3粒界が衝突すると新たにΣ9粒界が形成され、また、Σ3粒界とランダム粒界が衝突すると新たにΣ27粒界が形成されることがわかった。このような粒界の衝突による新たな粒界の形成には、粒界性格だけでなく、粒界面方位の影響も考えられ、今後更なる研究が必要である。太陽電池用Siバルク多結晶インゴットの成長技術開発では、これまでの基礎研究に基づき、不純物が局所偏析しないような技術の開発を行った。これにより得られたSi多結晶インゴットは、従来のSi多結晶インゴットに比較して、少数キャリアライフタイムが3倍以上に向上することが示された。今後、この技術を発展させ、太陽電池のエネルギー変換効率の向上に寄与していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、固液界面における粒界部分での欠陥発生について研究を行った。粒界部分で不純物が局所偏析するメカニズムが明らかになるとともに、粒界の衝突による新たな結晶粒界の発生に関するデーターも得られ、研究は予定通り進行している。さらに、これらの知見を太陽電池用Si多結晶インゴットの成長技術開発にも反映させ、従来より飛躍的に品質が向上する技術の開発に着手することが出来た。このように、本研究は計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、その場観察実験を中心に、固液界面での欠陥発生に及ぼす粒界の影響を基礎的に解明していく。これらの知見をSi多結晶インゴットの成長技術開発に反映させ、新しい結晶成長技術を確立させる。
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