2014 Fiscal Year Annual Research Report
カイラル対称性の部分的回復による原子核中での中間子質量変化の測定
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26247048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
四日市 悟 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (20360670)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 実験核物理 / 放射線X線粒子線 / GEM / チェレンコフ光検出器 / 飛跡検出器 / 電子検出器 / カイラル対称性 / 量子色力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベクトル中間子崩壊からの電子対精密測定用スペクトロメータ建設のための検出器量産および読出回路試作およびそのテストを遂行した。第一段として建設予定である各検出器8モジュールに対し、GEMトラッカー(GTR)6モジュール分、ハドロンブラインド検出器(HBD)2モジュール分の部品調達をほぼ終了した。部品には、大型国産GEM、GTR用低物質量二次元読出ストリップ基板、メッシュ電極、コネクタ変換基板、HBD用大型ガス筐体をふくむ。KEKに保管されていた鉛ガラスカロリメータのリサイクルのための切断加工等を8モジュール分終了した。また、GTRのフレーム1モジュール分の製作をおこない、設計を改善しつつ2台めの製作を開始した。 回路については、GTR読出補助回路(リピータボード)の試作とテスト、同トリガー信号プリアンプASICの改良試作とテストを行い、量産への見通しをつけた。また、テスト結果にもとづきGTR信号用プリアンプの量産仕様を決定し、量産を開始した。トリガー判定論理回路、トリガー信号中継回路については中継子ボードの開発とファームウェア製作をおこない、テスト中である。DAQソフトウェアとしてDAQMiddleWareを用いたソフトウェア開発をおこない、GTR/HBD読出回路であるSRSと組み合わせてテストし、要求性能である2kHz,660MB/spillの性能がでることを確認した。 製作している検出器および読出回路の性能や、実験計画そのものに関して、国際・国内を含め、14件の口頭発表(うち招待講演4件)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GTRトリガー信号プリアンプASIC開発については改良試作を前倒しするなど当初予定より順調に推移した。一方GTRフレーム製作については当初予定に入っていた台座製作まで進まず、2015年度にずれこむなど、遅れているものもあるが、当初計画の2015年度内には完了できる見通しであり、平均して順調といえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に不可欠なビームライン建設が約1年おくれて2017年はじめになることが判明しているが、本研究期間最終年度には完成しているはずであり、研究期間内の実験開始が見込まれる。 検出器量産については大型予算が必要であるが、その申請もふくめ、計画推進予定に現段階ではとくに変更はない。本研究費をこれ以上量産へは投入できないが、量産した検出器のテスト実験のための旅費や、テスト結果の発表・出版費用などをまかなう。
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Research Products
(14 results)