2016 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光とナノパルス放電による気泡ジェットの界面反応促進と水質浄化プロセス制御
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26249015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高奈 秀匡 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40375118)
上原 聡司 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70742394)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能性流体 / 放電 / 微小気泡 / プラズマ / 流体輸送 / 水質浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
単一微小拡大管内気泡放電現象を利用した水質浄化用小型反応性プラズマポンプを試作し、管内気泡流動とメチレンブルー水溶液の脱色分解特性との関係に着目して実験を行った。また、ナノパルス放電下で水中での化学反応を考慮した高次の非定常単一放電気泡モデルを構築し、数値シミュレーションにより気液中での化学種の拡散機構を明らかにした。以上、実験及び数値シミュレーションにより得られた結果を要約すると以下のようになる。 1.非定常ベルヌーイの式を用いて溶液輸送特性を明らかにした。印加電圧が増加すると、より大きなジュール加熱に伴う気泡の活発な発生により、流量の増大に帰する。気泡発生周波数は消費電力17.8Wで最大となり、この時実験から決定された最大流量になる時の最適値となる。 2.微小拡大管では、気泡が太い管側のリザーバに排出され、脱色性能が促進される。電圧印加60分後におけるメチレンブルー水溶液の分解率は、直管の場合に比べて約2.4倍の脱色性能が得られ、微小拡大管内気泡放電による輸送効果が有効であることを示した。また、印加電圧の増加に伴い細管側の分解率が減少したが、太い管側の分解率は上昇した。 3.ナノパルス放電下の単一気泡について、可視化による気泡内界面に沿う時間進展ストリーマモデルと気泡内外化学反応モデル、さらには気泡内から界面を通した活性種の液中への拡散を考慮した2次元拡散モデルを統合した新規なモデルを提案した。 4.放電後18msでは、酸化力の強力なOHラジカルが気泡界面近傍の数μm程度の領域のみ存在し、液中には広く拡散しない。また、放電の印加電圧や周波数に対するOHの生成特性及び拡散過程を明らかにした。同じ消費電力では、低印加電圧で高周波数の場合、OHの発生濃度は70%増加することもあり、分光計測による実験結果と定性的によい一致が得られ、水処理のための作動条件に有意な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
世界で初めてラジカルの気泡内外の2次元拡散を考慮したナノパルス放電気泡モデルの構築に成功し、気泡流動を活用した高効率分解のための小型浄化流動システムの開発が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成29年度は、実験に基づいたストリーマ進展モデルと2次元放電気泡拡散モデルを統合したモデルを確立し、実験解析と比較参照しながら、高効率水質浄化のための最適条件を提示する。 2.複数細管プラズマポンプを新規に試作し、同期放電に伴う流動構造を活用した高効率水質浄化デバイス設計の基礎資料を提供する。
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[Book] プラズマ産業応用技術―表面処理から環境,医療,バイオ,農業用途まで―2017
Author(s)
大久保雅章, 西山秀哉, 浦島邦子, 沖野晃俊, 渡辺隆行, 清水一男, 浪平隆男, 難波眞一, 春名俊治, 田村豊, 宮原秀一, 大久保雄司, 山村和也, 川口雅弘, 水越克彰, 貞本満, 水野彰, 川上一美, 江原由泰, 金賢夏, 神原信志, 安岡康一, 稲永康隆, 山本柱, 黒木智之, 佐藤岳彦, 中谷達行, 平田孝道, 高木浩一, 金澤誠司, 金子俊郎, 高島和則, 他
Total Pages
270
Publisher
シーエムシー出版
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