2015 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類ゲノムをモデルとした塩基配列進化の総合的研究
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26251040
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池尾 一穂 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 准教授 (20249949)
太田 聡史 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 専任研究員 (30391890)
長田 直樹 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (70416270)
古賀 章彦 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (80192574)
北野 誉 茨城大学, 工学部, 准教授 (90400564)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲノム / 進化 / 哺乳類 / 霊長類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の研究成果があった。斎藤は、羊膜類において高度に保存されている非コード領域(CNS)をしらべ、分岐してから1億年近く経過しているヒトとマウスのゲノムにおいて、あるCNSとその最近傍のタンパク質遺伝子の距離が、タンパク質遺伝子同士よりもずっと保存されていることを見出した。この成果はMol. Biol. Evol.に発表した (Babarinde & Saitou 2016)。また、ヒト科4種のゲノムだけでまったく同一であるCNSを1600個ほど発見し、それらの祖先では多くの変化が生じていたことをみいだした。この結果にもとづく論文を現在投稿中である。北野は、チンパンジーのRh式血液型遺伝子のゲノム構造に高い多様性があることをあきらかにした。この成果はGenome Biol. Evol.に発表した (Kitano et al. 2016)。また、ABO式血液型遺伝子についても、類人猿のゲノム配列を決定し比較している。古賀は、セントロメアで主要なタンパク質CENP-Bが結合するDNA配列を新世界ザルでしらべ、ヒト以外の霊長類ではじめて発見した。この成果をBiology Lettersに発表した(Suntronpong et al. 2016)。長田は、カニクイザル集団の遺伝的多様性について23個体のゲノム配列解析を行ない,基礎的な集団遺伝学解析を行った。また、旧世界ザルにみられるサル内在性レトロウィルス(SERV)に関する進化系統解析を行なった.池尾は昨年度に引き続き、カニクイザルのエクソームデータの解析を進めた。太田は昨年に引き続きマウスの誘発突然変異パターンからゲノムのアイソコアに関する解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と5人の研究分担者がそれぞれ独自の課題に取り組みつつ、共同の課題にもとりくんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
齧歯類3種(カピバラ、ムササビ、アカネズミ)のゲノム配列解析をおこかうほか、齧歯類2種(ムササビ、アカネズミ)のトランスクリプトーム配列解析、マカカ属のエクソーム解析などをおこなう。 また、過去2年間の成果をもとにして、3年計画の最終年度なので、6人全員がそれぞれ論文を発表する。また、学会のシンポジウムなどでこれまでの成果を公表する。すでに、2016年8月に東京工業大学で開催される日本進化学会のシンポジウムに申請をしている。
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Research Products
(6 results)