2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚発生プログラムの解明・応用に基づく歯の再生技術の開発
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26253088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 正充 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00548307)
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (50339131)
大野 充昭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60613156)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯科補綴学一般 / 細胞生物学 / 幹細胞 / 発生・再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は「歯の再生治療」の開発に向けた技術開発として,未分化な歯原性上皮細胞や間葉細胞を得るために,(1)歯原性組織幹細胞のReprograming方法,(2)ES細胞やiPS細胞のような多能性幹細胞を歯原性上皮細胞や間葉細胞に分化させる方法,(3)再生歯の発生期間の短縮化のための乳歯と永久歯の発生・成熟期間の差を生物学的に解析するものである. 平成27年度の研究実施項目に従って進捗し、下記の研究成果を得た. 研究項目(1);cDNAマイクロアレイ,Laser micro-dissection法による歯胚発生関連遺伝子を抽出するために,様々な歯胚発生ステージに該当する各胎齢のマウス歯胚摘出技術,さらには上皮/間葉組織の分離技術を確立した. 研究項目(2);研究項目(1)の歯胚発生遺伝子の同定を進めており,現在のところ,direct reprogramming/differentiationを可能とする候補遺伝子の抽出中である. 研究項目(3);胎齢55日イヌ乳歯・永久歯歯胚を取得して,cDNAマイクロアレイの群間比較により,乳歯に高発現している遺伝子201個,永久歯に高発現する遺伝子84個を見出した.その中から,未分化性維持を基礎とする器官発生時間軸制御に関与する遺伝子を抽出するために,永久歯に高発現する上位2遺伝子を対象に,in situ hybridizationにてイヌ永久歯歯胚組織内における発現局在を解析している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1, 2に該当する歯胚発生を制御する候補遺伝子同定に関する内容は、研究計画よりもやや遅れが生じている.これは Laser micro-dissection法の構築(サンプル採取部位の選定)が技術的に高度であり,その点で難航しているためである.その一方で,研究項目(3)においては計画に沿って順調に進んでおり,研究プロジェクト全体としての進捗に関しては大きな遅れはない.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究実施項目に従い、下記のように進めていく. 研究項目(1);各胎齢のマウス歯胚を用いて,①歯胚発生過程における発現遺伝子の変動をcDNAマイクロアレイにて抽出する.次に,②歯胚再構成技術を利用して,分離上皮/間葉組織のみ,歯胚再構成の前後で発現変動する遺伝子を抽出し,実験内容①との共通性を比較・抽出を行う.さらに③マウス遺伝子発現データベース“EMBRYS”を用いて発見した歯胚発生に関わる新規転写因子および,申請者がこれまで実施してきた幹細胞の未分化維持に関わるmiRNAの発現解析の結果と照らし合わせ,歯胚発生に関与する転写因子ならびにmiRNAの抽出を行う. 研究項目(2);項目(1)の歯胚発生遺伝子の同定に並行して,歯胚へのdirect reprogramming/differentiationを可能とする候補遺伝子を抽出・解析を行う. 研究項目(3);器官発生の時間軸制御に関わる候補遺伝子の組織内局在をin situ hybridizationにより明らかにする.さらに,エレクトロポレーションやアデノウイルス導入系にて候補遺伝子の歯胚細胞への導入を検討し,歯胚発生速度の変動や形態形成の変化の有無を解析していく.
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[Journal Article] CCN4/WISP-1 Positively Regulates Chondrogenesis by Controlling TGF-β3 Function.2015
Author(s)
Yoshioka Y, Ono M, Maeda A, Kilts TM, Hara ES, Khattab H, Ueda J, Aoyama E, Oohashi T, Takigawa M, Young MF, Kuboki T.
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Journal Title
Bone
Volume: 22(5)
Pages: 162-170
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] A Novel Method to Induce Strong Chondrogenesis of BMSCs and Promote Articular Surface Repair using Fluocinolone Acetonide and TGF-β3.2015
Author(s)
Hara ES, Ono M, Pham HT, Sonoyama W, Kubota S, Takigawa M, Young MF, Olsen BR, Matsumoto T, Kuboki T.
Organizer
Biomedical Engineering Society 2015 Annual Meeting
Place of Presentation
Tampa,USA
Year and Date
2015-10-08
Int'l Joint Research
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[Presentation] The Combination of Fluocinolone Acetonide and TGF-β3 Promotes Strong Chondrogenesis of hBMSCs for Articular Surface Regeneration.2015
Author(s)
Hara ES, 大野充昭, Pham HT, 園山 亘, 久保田 聡, 滝川正春, 松本卓也, Young MF, Olsen BR, 窪木拓男.
Organizer
第6回骨バイオサイエンス研究会
Place of Presentation
岡山,日本
Year and Date
2015-07-04
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