2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tooth regeneration technology based on the clarification of mechanism of tooth development.
Project/Area Number |
26253088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 正充 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00548307)
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (50339131)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯科補綴学一般 / 歯 / 幹細胞 / 発生・再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、補綴治療の究極の目的である「再生臓器としての歯・歯根膜・歯槽骨複合体」による歯の再生治療に向けて、再生器官原基を創出可能な未分化な上皮細胞・間葉細胞を開発し、再生器官の発生や形態を制御するための基盤技術を構築することを目的とする。そのために、(1)歯胚発生に関わるマスター遺伝子の探索、(2) 歯胚上皮前駆細胞・歯胚間葉前駆細胞への誘導因子の同定、(3) 歯胚発生の時間軸制御に関わる因子の探索を行う。 平成28年度の研究実施項目に従って進捗し、下記の研究成果を得た。 研究項目(1):歯胚発生に不可欠な上皮間葉相互作用の境界面となる基底膜にて、どのような遺伝子発現変動が生じているかを解析するために、生後30日のイヌ顎骨から永久歯歯胚を摘出し、これらの歯胚の基底膜をレーザーマイクロダイセクション法により抽出することにより、歯胚発生関連遺伝子を抽出する技術を構築している。 研究項目(2):研究項目(1)の歯胚発生遺伝子の同定を進めているとともに、direct reprogramming/differentiationを可能とする候補遺伝子の抽出中である。また、マウス歯胚への遺伝子導入の技術確立を検討中である。 研究項目(3):発生時間軸制御に関わる候補遺伝子の発現解析として、H27年度の乳歯歯胚・永久歯歯胚におけるcDNAマイクロアレイの研究結果から抽出された因子の中で、永久歯歯胚にて高発現するFGF14遺伝子と、乳歯歯胚に高発現するFEZF2遺伝子を見出した。これらの分子を用いてin situ hybridizationにて発現局在の解析を行ったところ、FGF14は歯胚上皮幹細胞のニッチであるサービカルループ領域の上皮細胞に遺伝子発現が集積しており、その一方でFEZF2遺伝子は歯冠部のエナメル芽細胞の領域にて発現集積が認められた。これらの結果より、抽出された2つの候補遺伝子は歯胚上皮細胞の未分化性維持や分化促進に影響している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度より、研究項目1・2における歯胚発生を制御する候補遺伝子の同定に関しては、研究計画よりもやや遅れが生じている。その理由として、マウス歯胚におけるレーザーマイクロダイセクションの構築(サンプル採取部位の選定)や遺伝子導入が技術的に困難であったためである。そこで今年度においては、レーザーマイクロダイセクションの解析サンプルをイヌ歯胚に変更するとともに、エレクトロポレーションやアデノ随伴ウイルス導入系利用した遺伝子導入を試みている。その一方で,研究項目(3)においては計画に沿って順調に進んでおり、研究プロジェクト全体としての進捗に関しては、大きな遅れは生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究実施項目に従い、下記のように進めていく。 研究項目(1):イヌ歯胚を利用して、上皮間葉相互作用面である基底膜部位のレーザーマイクロダイセクションを行い、歯胚発生過程における候補遺伝子をcDNAマイクロアレイにて抽出する。次に、②歯胚再構成技術を利用して,分離上皮/間葉組織のみ、歯胚再構成の前後で発現変動する遺伝子を抽出し、実験内容①との共通性を比較・抽出を行う。さらに、③マウス遺伝子発現データベース“EMBRYS”を用いて発見した歯胚発生に関わる新規転写因子および、申請者らが有する幹細胞の未分化維持に関わるmiRNAの発現結果と照合し、歯胚発生に関与する転写因子ならびにmiRNAの抽出を行う。 研究項目(2):項目(1)の歯胚発生遺伝子の同定と共に、歯胚へのエレクトロポレーションやアデノ随伴ウイルス導入系利用した遺伝子導入を確立し、候補遺伝子の導入による変異を解析する。 研究項目(3):抽出された器官発生の時間軸制御に関わる候補遺伝子を用いて、上記の遺伝子導入系や歯胚の器官培養系におけるリコンビナントタンパクの添加によって、歯胚発生速度の変動や形態形成の変化の有無を解析する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Practical whole-tooth restoration utilizing autologous bioengineered tooth germ transplantation in a postnatal canine model.2017
Author(s)
Ono M, Oshima M, Ogawa M, Sonoyama W, Hara ES, Oida Y, Shinkawa S, Nakajima R, Mine A, Hayano S, Fukumoto S, Kasugai S, Yamaguchi A, Tsuji T, Kuboki T.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 16(7)
Pages: 44522
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Bioengineering a 3D integumentary organ system from iPS cells using an in vivo transplantation model.2016
Author(s)
Takagi R, Ishimaru J, Sugawara A, Toyoshima KE, Ishida K, Ogawa M, Sakakibara K, Asakawa K, Kashiwakura A, Oshima M, Minamide R, Sato A, Yoshitake T, Takeda A, Egusa H, Tsuji T.
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Journal Title
Science Advances
Volume: 2(4)
Pages: e1500887
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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