2015 Fiscal Year Annual Research Report
災害後における家族レジリエンスを促す看護支援モデルの構築と活用
Project/Area Number |
26253099
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時長 美希 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00163965)
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (00364133)
畠山 卓也 高知県立大学, その他の研究科, 研究員 (00611948)
槇本 香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00611972)
森下 安子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10326449)
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20254485)
池添 志乃 高知県立大学, 看護学部, 教授 (20347652)
森下 幸子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40712279)
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
中山 洋子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60180444)
竹崎 久美子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60197283)
中村 由美子 文京学院大学, 保健医療学部, 教授 (60198249)
川上 理子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60305810)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師(移行) (70270056)
山田 覚 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70322378)
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (90438268)
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 家族レジリエンス / 災害 / 看護支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度までに看護師を対象とした面接調査を行い、調査で得たデータをもとに“家族レジリエンスアセスメント指標”と“家族レジリエンスを促進する看護支援行動”の特定化を行う予定であった。しかしより有効なアセスメント指標、看護支援行動の明確化を図るためにフォーカスグループ法を新たな研究方法として組み入れる必要性が生じ、研究期間を延長し、取り組んできた。 個人面接調査およびフォーカスグループ法によって導かれたデータを分析した結果、【家族の中に浸透していく】、【乱れた生活を立て直す】、【苦悩の連鎖を断ち切る】、【周囲の支えを作り出す】【止まった時間を再び動かす】【家族自身の立ち上がる力を引き出す】【家族の本来のあり方を取り戻す】という7つの看護の志向性が導かれた。【家族の中に浸透していく】には<家族を脅かさないよう糸口を探りながら入っていく><支援が届くような方法で介入する>等、【乱れた生活を立て直す】には<苦境を生きる家族の基盤となる健康と生活を整える><歯車が狂った家族生活を立て直す>等、【苦悩の連鎖を断ち切る】には<張り詰めた緊張や押し寄せる苦悩から解放する><やり場のない気持ちの表出と整理を助ける>等、【周囲の支えを作り出す】には<家族が信頼できる支援につながるよう取り持つ><継続的・長期的な支援を保証する>等、【止まった時間を再び動かす】には<喪失体験を意味づけ前へむかうことを後押しする>等、【家族自身の立ち上がる力を引き出す】には<家族が発揮しうる力を見極め引き出す><家族自身の力で取り組み対処することを支える>等、【家族の本来のあり方を取り戻す】には<家族が守り続けてきたものをつなぐ><非日常的状況の中で日常性を取り戻す>等の看護支援行動が含まれる。現在は本結果をふまえて家族レジリエンスを促す看護支援モデル(案)の構築に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、看護師を対象とした面接調査を行い、調査で得たデータをもとに、“家族レジリエンスアセスメント指標”と“家族レジリエンスを促進する看護支援行動”の明確化を図る予定であった。しかし、調査を行った結果、看護師による支援が継続的なケースは少なく、“家族レジリエンスアセスメント指標”と“家族レジリエンスを促進する看護支援行動”の明確化を図る正確かつ十分なデータを得ることができなかった。そのため、研究計画を再検討した結果、新たな研究方法(フォーカスグループ法)を追加することで、“家族レジリエンスアセスメント指標”と“家族レジリエンスを促進する看護支援行動”の明確化を図ることができることが判明したため、看護師を対象としたフォーカスグループ法を新たな研究方法として組み入れ、研究期間を延長して研究継続していった。 研究期間を延長することで、フォーカスグループ法を実施することが可能となり、より有効なアセスメント指標、看護支援行動の明確化につながったとともに、おおむね順調に予定通り研究遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上記の結果をもとに「家族レジリエンスを促す看護支援モデル(案)」の構築を行う。さらに、実践への活用可能性・妥当性のある「家族レジリエンスを促す看護支援モデル(案)」の構築を目指し、専門看護師と家族看護学の研究者からなるフォーカスグループ及びこれまで青森、福島等で面接を行った看護者を研究協力者としてインタビューを行い「家族レジリエンスを促す看護支援モデル(案)」の検証、洗練化を行う。また『モデル』に基づいて、「ガイドライン(案)」を作成し、面接調査、フォーカスグループインタビューを実施し、ガイドラインの洗練化を行う。そのうえで、小児家族用、老人家族用、精神家族用、在宅家族用の「家族レジリエンス促進看護支援ガイドライン」を作成する。具体的には、東日本大震災の経験者であり、継続的に看護実践を行っている青森・福島等で面接を行った本研究協力者を対象に、面接調査、フォーカスグループインタビューを行い、「家族レジリエンス促進看護支援ガイドライン(案)」の妥当性を検証し、洗練化を行う。成果として、臨床的に有益な小児家族版、老人家族版、精神家族版、在宅家族版の「家族レジリエンス促進看護支援ガイドライン」を作成する。
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