2015 Fiscal Year Annual Research Report
Smallholders and Plantation Companies of Oil Palm in Southeast Asia: The Changes of Their Behaviour Accompanying the Globalization and Those Influences
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26257005
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
林田 秀樹 同志社大学, 人文科学研究所, 准教授 (70268118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 喜彦 同志社大学, 経済学部, 教授 (10326514)
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 准教授 (60610227)
加納 啓良 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (00134635)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (90372549)
加藤 剛 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60127066)
永田 淳嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30218002)
藤田 渡 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (10411844)
生方 史数 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (30447990)
岩佐 和幸 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (40314976)
増田 和也 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (90573733)
新井 祥穂 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40345062)
寺内 大左 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (10728140)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アブラヤシ / パーム油 / 東南アジア / 農園企業 / 小農 / グローバル化 / 熱帯雨林 |
Outline of Annual Research Achievements |
各自、調査研究の進捗に応じて学会報告・論文の執筆投稿、並びにその準備に励んだ。 (1) 研究分担者の加納啓良、岡本正明、寺内大左が論文を発表したほか、岡本が著書(単著1冊、共著1冊)を刊行した。そのほか、同じく分担者による関連テーマでの学会報告・招待講演が9件行われた。 (2) 本研究の活動母体となっている「アブラヤシ研究会」が企画を担当し、研究代表者・林田秀樹の所属機関である同志社大学人文科学研究所が主催者となって、同志社大学人文科学研究所第88回公開講演会が実施された。テーマは、2015年の6月頃から10月頃にかけてマレーシア、シンガポールでも問題となっていたインドネシア・スマトラ島発の泥炭地火災に伴う煙害を取上げ、「インドネシア・リアウ州のアブラヤシと煙害:グローバル化が促す農園企業・小農の行動とその帰結」とした。企画の責任者である林田が趣旨説明を行い、研究分担者の永田淳嗣と増田和也、並びにプロジェクト外から渡辺一生(総合地球環境額研究所研究員(当事))が講演を行った。加えて、研究分担者の加藤剛が林田とともにコメンテータとなって討論が行われた。この講演会の模様をまとめたものが、永田・増田らが執筆者となって編集・刊行された同志社大学人文科学研究所編『人文研ブックレット Vol.53』である。 (3) 前年の2014年に締結された同志社大学東南アジアのプランテーション研究センター・京都大学東南アジア研究所・インドネシア・タンジュンプラ大学社会政治科学部との間の学術交流協定に基づき、2015年11月にタンジュンプラ大学側からS.I.Alqadtie, S.H.Gamik, H.Arkanの3名を招聘し、同月8日にセミナーを開催した。 (4) 以上の活動を行う中で、2015年6月20-21日の2日間、滋賀県において本研究の最終成果のとりまとめに関して議論するための合宿を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 本研究のメンバー各自がインドネシアを始めとした東南アジアのそれぞれの調査地に赴いて、調査活動を継続して行った。 (2) 本研究のメンバーが中心となって組織し活動の母体としているアブラヤシ研究会を5回開催し、10組11名による研究報告を組織した。また、そうした研究会活動を行うなかで、研究実績の概要欄にも記した同志社大学人文科学研究所第88回公開講演会の企画・実施に関連した議論を重ねた。 (3) 2014年に締結された同志社大学東南アジアのプランテーション研究センター・京都大学東南アジア研究所・インドネシア・タンジュンプラ大学社会政治科学部との間の学術交流協定に関しては、林田が西カリマンタン州に渡航した際に、あるいはタンジュンプラ大学側のゲストを国内に招聘した際に交流のあり方について議論してきており、実際の交流も順調に実施できている。このほか、研究分担者の永田淳嗣、新井祥穂、寺内大左、並びに研究協力者の小泉佑介らは、リアウ州で現地の大学や農園企業との間で共同の取り組みを継続して実施している。分担者の岡本正明も、リアウ州で外部の研究協力者らとともにある村のアブラヤシ栽培を含む土地利用に関する調査に取組んでいる。このように、調査地のカウンターパートとの共同の取組みも順調である。 (4) 研究実績の概要欄にも記したが、合宿を実施して最終成果の取りまとめについて集中的に議論し、それを2巻の共同著作として刊行する計画を具体化している。それらの章構成についても具体化を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 本研究のメンバーによる、インドネシアを始めとした東南アジア諸国におけるフィールド調査並びに文献調査を引続き行い、各自が学会報告、もしくは論文の執筆・公刊に向け鋭意準備を進めていく。特に、『東南アジア研究』(京都大学東南アジア研究所)誌上で特集を組むために、各自準備を進める。 (2) アブラヤシ研究会を継続して開催する。これにより、本研究メンバーだけでなく外部からも関連した研究を行っている研究者をゲスト講師として招聘して議論を重ね、研究成果や調査地の情報、意見を活発に交換していく。 (3) 同志社大学東南アジアのプランテーション研究センター・京都大学東南アジア研究所・インドネシア・タンジュンプラ大学社会政治科学部との間の学術交流協定に基づき、今後さらに三者間での共同調査、成果交流、及び現地への成果還元を活発に行っていく。具体的には、本研究のメンバーがタンジュンプラ大学で研究成果を報告して現地社会に還元するとともに、タンジュンプラ大学から講師を招聘し、研究者向け、あるいは一般公開のセミナーなどで講演してもらう機会を設けることで、本研究の研究成果を広く我が国の学界、一般社会に還元する活動も積極的に行っていく。 また、永田らの研究チーム、岡本が組織している研究チームについても、インドネシア・リアウ州においてそれぞれ独自の調査活動を展開していく。 (4) 本研究の最終成果である2巻の共同著作の刊行に向けて、楽章のドラフトができたものからアブラヤシ研究会の場を利用してメンバー間で検討を行っていく。また、研究成果の精緻化と理論化に向けて着実に議論を重ねていく。
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Remarks |
上記センターは、当研究費を主たる研究資金として同志社大学内に設置された研究センターである。センターの設立・管理は、同志社大学研究開発推進機構が行っている。設置期間は2014年7月より2019年3月末までであり、メンバーは本研究のメンバーに数名追加した構成となっている。
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