2016 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴルの地下資源開発、特に金採掘に伴う水銀汚染の実態とその影響評価
Project/Area Number |
26257301
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
永淵 修 福岡工業大学, その他部局等, 客員教授 (30383483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 恭一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80183763)
金藤 浩司 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (40233902)
横田 久里子 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60383486)
尾坂 兼一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (30455266)
岡野 寛治 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (90074088)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小規模金採掘 / 水銀 / 大気 / 水系 / リスク評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年8月に内モンゴルにおいて地下水調査と大気調査を行った。調査地域は内モンゴルの東ウジュムチン旗周辺である。調査は、オーストラリア国立大学の研究員、内モンゴル農業大学の講師および学生と共同で行った。 調査地域は、東ウジュムチン旗E村のすべての井戸であり、さらに河川水、水道水であり、冬季の積雪はオーストラリア国立大学の研究員とE村の副村長に採取していただいた。各戸の家族構成、体重、飲料水の1日当たりの摂取量等の情報も取得した。また、オーストラリア国立大学の研究者、内モンゴル農業大学の研究者もそれぞれ文化人類学・民俗学的なアプローチを用いて、人々の生活状況について聞き取りを行った。今後これらの調査結果を合わせて検討を行っていく。 その結果、E村の多くの井戸でフッ素イオン (F-) 濃度が中国の環境基準レベルを超過することが明らかになった。その解決策の一つとして、骨炭の利用がある。E村の主食は羊肉であり、多くの羊骨を得ることができる。そこで富山県立大学の研究者と、羊の骨を使った骨炭を作成し、飲料水中のF-の除去試験を行った。羊骨炭をつかった簡易な浄水器をつくればF-除去システムを構築できる可能性が示唆された。 の 今後、これらの結果を基にリスク解析を実施するとともに、その結果をE村の副村長にフィードバックを行う予定である。そのなかで、F-に由来するヒトへの健康影響の懸念を小さくするための、複数のシナリオを作成し、提示し、それが実行可能かどうか等議論を進めE村における飲料水利用の在り方についても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
F-処理の一つして羊骨炭の製造が可能になった。 研究目的④の人文科学的分野の聞き取り調査が、一つの村全体で行うことができ、研究目的⑤のリスク評価に持ち込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
内モンゴル東ウジュムチン旗のE村をテスト地域として井戸水中のF-イオンを骨炭で除去する方法を村人に情宣活動をおこなう。さらに、これを使った簡易なミニプラントを考案し、F-除去のテストを行う。この手法は、遊牧民たちの周辺に無尽蔵にある羊骨を使用するので安価で簡易な方法であり、E村の副村長も大いに賛同し、羊骨炭とろ過パイプがほしいということで、1セット持ちかえってもらった。
但し、解決せねばならない大きな問題があると副村長から連絡があった。遊牧民と羊は一心同体であり、その骨を炭にして、その骨炭を通した水を飲むことに遊牧民は非常に大きな抵抗を感じるとのことであった。 もう一つの解決策として冬季は飲料水は雪を溶かして使うことにするとかなりリスクが下がるので、この方法を遊牧民に伝えることも重要である。そのために、さらに積雪の水質データを多く集める必要がある。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Heavy metal pollution in river originated from the mine developing in Mongolia2016
Author(s)
Nagafuchi, O., Nakazawa, K., Ch, Javzan, Tsogtbaatar, J., Yoshida, A., Okano, K
Organizer
Japan Geoscience Union annual meeting
Int'l Joint Research
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