2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26280006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 大道 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80435833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 真一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00334285)
堀 高峰 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, グループリーダー (00359176)
中野 慎也 統計数理研究所, モデリング研究系, 助教 (40378576)
中村 和幸 明治大学, 総合数理学部, 准教授 (40462171)
庄 建倉 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70465920)
福田 淳一 東京大学, 地震研究所, 助教 (70569714)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | データ同化 / 固体地球科学 / 逐次ベイズフィルタ / 疎性モデリング / 地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
(開発班) データ駆動型モデリングを組み込んだデータ同化法DDDASを、次のように段階的に開発した。ステップ1: 状態の次元を固定した上で、データ同化を従来通り適用することによって各時点におけるシステムノイズを算出し、それに含まれるシグナルを、疎性モデリングに基づくスパース推定によって抽出することを試みた。ステップ2: データ同化とスパース推定を同時に実行するアルゴリズムを編み出した。フィルタリングの段階で必要となる評価関数を設計する際に、一期先予測と観測データの近さを示す尤度だけでなく、なるべく次元を圧縮するような罰則項を含めた。 (実装班) 前年度開始した周波数領域を考慮したデータ同化法FMDASの実装を完了させ、開発班と連携しながら、DDDASの並列計算機上への実装を開始した。その際、実行性能が十分に引き出せるように、並列計算機の特性を活かしたプログラミングを試みている。 (応用班) 実装されたFMDASの固体地球科学の実問題への応用を開始し、手法の実行性能を計測を開始した。また、DDDASによって得られる構造行列や説明変数ベクトルの結果から、地球物理学的解釈を導くための方法について考察するための方策を議論した。 (統括班) 前年度に引き続き、本研究に関連した研究集会を開催した。また、5月の日本地球惑星科学連合大会および8月のAsia Oceania Geoscience Societyにおいて、本研究と関連の深い特別セッションを企画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周波数領域を考慮したデータ同化法FMDASの実装や、データ駆動型モデリングに基づくデータ同化法DDDASの設計を完了したことや、FMDASおよびDDDASの実際の地震データへの応用が始まっていること、さらには研究集会や国内外の学会におけるセッションを開催したこと等から、本研究は当初計画通りに順調に進展していると思われる。ただし、疎性モデリングに基づくスパース推定については、特に正規化パラメータの選択基準の選定について修正を迫られる場面があり、現在それについて模索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成28年度は、これまでに開発したFMDASおよびDDDASを統合し、固体地球科学に資する次世代型データ同化アルゴリズムとして完成させ、データ同化ライブラリとして公開する予定となっている。また、前年度に引き続き、本研究に関する研究集会等を開催し、教科書の執筆を開始する予定である。これらの計画を円滑に遂行し、本研究を成功裏に終了させるために、既に関係者と協議を進めているところであるが、最終年度中のなるべく早い段階において、準備会合を開催したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本研究計画で開発したデータ同化アルゴリズムを実装するため、本年度中に外部発注する予定であったが、次年度に繰り越しとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度および次年度初頭までに開発したデータ同化アルゴリズムを実装するために、次年度に外部発注する。
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Research Products
(16 results)