2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの健康を脅かす稀少生起事象の集積性を検出する統計モデルに関する研究
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26280008
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丹後 俊郎 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (70124477)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 空間疫学 / 疾病集積性 / 環境統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、集積性の強度(リスクの大きさ)が増大するにつれて疾病の空間的集積性を正確に同定できる確率が、1.0に近づく方法を検討するとともに、突発事象の集積性が起きた地域の大きさ(クラスターサイズ)に関わらず短時間で、かつ、任意の形状の集積地域を正しく検出できる、scan統計量の開発を目指した。その理論的な検討はほぼ終了し、大規模なMonte Calro シミュレーション研究により新しいscan統計量の性能を検討してきた(現在もシミュレーション研究は継続中)。その結果、従来の方法より優れていることを明らかにできた。その特徴は、(1) 現在のflexible spatial scan に存在した検出可能なクラスターサイズの制限がない、(2)計算時間が平均的に、既存の方法の1000分の1程度に短縮できている、(3)クラスターの相対危険度が大きくなるにつれて、どのような形状をもつクラスターでも、その検出確率が1.0に近くなる、ことなどである。研究成果の一部はイタリア、フィレンツエで開催された国際計量生物学会での招待講演で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究ならびにシミュレーション研究がほぼ予定通り進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成26年度のシミュレーション研究で、他の方法に比べて性能の良さが明らかになった空間scan統計量の利点を生かし、時空間的に成長する突発的事象が検出できる新しい方法の開発を行う。これまでの時空間的集積地域は時間的な成長は表現できても空間的な広がりを検出する性能は低かった。本研究では、「徐々に時間的、空間的に拡大する」突発事象のクラスターの検出力を改善できるoutbreak modelを内蔵したモデルの開発を目的とする。
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Causes of Carryover |
論文の作成が遅れ、本年度内の英文校閲が間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の英文校閲費に充てる
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Research Products
(2 results)