2015 Fiscal Year Annual Research Report
文化芸術活動における身体動作と集団行動のデジタルアーカイブと解析・表現技法の開発
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26280132
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
八村 広三郎 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (70124229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪田 真己子 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (10352551)
中村 美奈子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (20345408)
鹿内 菜穂 日本女子大学, 家政学部, 助教 (20706816)
崔 雄 群馬工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (30411242)
小島 一成 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (50360251)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デジタルアーカイブ / 身体動作 / 舞踊 / Labanotation / 無形文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究の目的は以下に示すようなものであった.1.今までに蓄積してきた各種の舞踊等の身体動作データをデータベースとして一般公開するための準備および機能開発の研究を行う.2.舞踊の身体動作をLabanotationの譜面で記述し,これをCGによる再現を行うLabanEditorの機能向上,また,3.祇園祭山鉾巡行に参加するさまざまな役割の人々の身体動作をモーションキャプチャで記録したデータを利用し,またそれらの人物や環境の発する音情報も利用し,人工現実感(Virtual Reality)環境下で鉾の振動も伴って再現し,利用者の仮想巡行体験を可能にする. 以上の3点についての成果は以下のとおりである.まず,1.に関しては,さまざまな研究目的のために過去に収録したモーションデータについての,データ編集(ポスプロ)作業を学外分担者の協力を得てほぼ完了することができた.また,データ公開に向けてのデータベースシステム,動作表示システムの改良を行った.2.に関しては,簡易身体動作計測機器Kinectを利用して,人物動作を計測し,このデータからLabanotationの譜面を作成し,LabanEditorによってCGアニメーション表示可能なサブシステムを開発した.LabanEditor については,2014年度にフランスで開催された国際会議での発表内容を基にした論文が,"Dance Notations and Robot Motions", Springerに収録され2016年1月に刊行された.3.に関しては,実際の山鉾巡行の時期に京都文化博物館においてデモンストレーションを行い,多くの見学者からの高い評価を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①過去15年間に行ってきた,モーションキャプチャシステムによる大量の身体動作計測データを,今後公開するためのデータ編集(ポスプロ)作業はほぼ完了しているが,これらについて,権利関係の整理などの課題が残っており,これについては慎重に作業を進めるべきと思い,来年度の課題としたい.②LabanEditorについては,本学での学位取得者で海外の研究協力者の尽力により,大きな改良ができてきている.海外の研究者を中心に,システムの公開を望む声が大きいが,システムの信頼性,またドキュメンテーションなどに課題が残っており,これらも来年度の課題としたい.③祇園祭山鉾巡行仮想体験システムについては,基本機能はほぼ完成しているが,たとえば,観客群集の量的規模がいまだ不十分であること,33基の山や鉾すべての再現は現実的でないとしても,現在の6基の山と鉾については,さらに十分な完成度をあげたい.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の【現在までの進捗状況】において,3つの課題を挙げているが,これらを残りの1年間の期間で解決できるように,研究を推進していく.特に,①と②に関しては,研究代表者の過去15年以上の研究活動の実績を,可能なものは公開しようとするものであるが,演技者の権利関係などや,ソフト公開における各種の業務などの課題が残っている.これらを解決していくのが,本研究の最終年度の課題である.
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Causes of Carryover |
データベース公開用のサーバマシンの仕様について,各機種の性能を精査したところ,今回のデータベースの規模などから勘案し,当初想定していた規模・性能のものは必要ないことがわかり,適正規模の安価な機種を選択できた.また,データ公開に向けてのネットワークセキュリティのためのファイアウォールについても,安価で高性能のものが入手できることがわかり,ファイアウォールについては,本学の別の研究経費で対応することとした. 以上の理由により,年度末間近になって29万円程度の残額が生じることになり,年度末までに消化するより,新年度に繰越して有効利用することが望ましいと判断した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベース公開に向けては,データの選択,メタデータの整備などにおいて,相当量の作業が必要である.繰越金はこのような作業における謝金などにあてたいと考えている.
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Research Products
(13 results)