2015 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁を守る海洋保護区の設計：住民による共的管理と公共セクターの役割
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26281062
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| Research Institution | Kochi University |
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Principal Investigator |
新保 輝幸 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (60274354)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 康博 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60246668)
中村 崇 琉球大学, 理学部, 准教授 (40404553)
中村 洋平 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (60530483)
中野 拓治 琉球大学, 農学部, 教授 (30595202)
安元 純 琉球大学, 農学部, 助教 (70432870)
婁 小波 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50247970)
三浦 大介 神奈川大学, 法学部, 教授 (30294820)
堀 美菜 高知大学, 教育研究部総合科学系, 講師 (60582476)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 環境経済 / サンゴ礁保全 / 与論島 / フィリピン / MPA（海洋保護区） / 共的管理 / 「国際研究者交流」 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
農畜産業由来の富栄養化物質が海域の水質とサンゴ礁を劣化させている鹿児島県与論島で1)礁池内外においてテーブルサンゴを採取、骨格に含まれる硫黄の安定同位体比を計測するための前処理方法を検討の上、測定した。また窒素質化学肥料の石灰岩溶解促に関する調査・実験結果をまとめた。2)東部沿岸域での明らかになった海底湧水による陸域から海域への地下水経由の栄養塩負荷を計測するため、流速の大きい海底湧水湧出量を自動連続計測可能なシーページメーターを開発した。3)地下水・陸水、礁池内外の海水の採取・分析を行うと共に、礁池内外の潮流シミュレーションモデルを用いた流動解析を実施した。4)農林水産観光産業振興と自然環境の保全・再生の両立を目指すための方策を検討した。
沖縄島・石西礁湖において潜水調査によりサンゴ礁の現況を把握した。造礁サンゴの状態（成熟度・稚サンゴ密度・白化頻度）等を調査し過去の調査データと比較すると共に、次年度与論での調査のための情報収集を行った。
石垣島等でサンゴ礁の利用・保全に関わるステークホルダーの聞取調査を実施、座間味調査の結果とあわせサンゴ礁保全のための政策と海洋保護区(MAP)のあり方について検討した。
フィリピンでは、ルソン島南部ビコール地方の4MPAにおいて、完全禁漁区と部分禁漁区および漁業解放区における水産有用魚種の生息密度を調べ、どのMPAでも完全禁漁区には他の2区よりも多くの魚類が生息していることが明らかにした。各MPAの漁業や規制、住民によるMPA管理の実態について聞取調査を行った。また同北部カガヤン地方では4つのMPAの実態に関する聞取調査を行うと共に、それらMPAを持つ地域の社会経済条件や住民のMPAに対する意識や管理の実態を明らかにするために、無作為抽出による世帯調査を進めた。まずゴンサガ町2集落のデータを用いMPA管理への参加の規定要因を計量経済分析した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
与論島等のサンゴ礁現況調査については、過年度中に現地の潜水調査を実施予定であったが、地元での調査計画の変更に伴う調整が遅れたため、実施を見送った。
フィリピンの海洋保護区調査においては、海洋保護区を持つ地域社会の調査について、カウンターパートの協力体制がより整っているカガヤン地方に調査の重点を移しつつあり、現在急ピッチで調査を進めているが、そのデータ分析が若干遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
与論島等でのサンゴ礁現況調査に関しては、地元での調査計画の変更に伴う調整を進めており、平成28年度に重要地点と考えられる場所の潜水調査を実施予定である。
フィリピンの海洋保護区調査では、カガヤン地方のフィリピン農業省漁業水産資源局第2地域支所(BFAR02)の全面的な協力により現在調査を進めており、順調にデータが得られているので、今年度はその分析を重点的に進める予定である。
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| Causes of Carryover |
1)地元での調査計画の変更に伴う調整が遅れたため、与論島におけるサンゴ礁現況調査を次年度に延期した。
2)研究分担者のスケジュール調整が難航し、合同研究会が開催できず、那覇・横浜で分散して研究会を行った。
3)フィリピンでの海洋保護区調査が全体に遅れており、次年度集中的に調査を行うため、予算を節約した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
与論島におけるサンゴ礁現況調査を今年度集中的に実施する。およびフィリピンの海洋保護区調査も重点的に実施する。
また研究会のための旅費の一部を調査旅費等の費用に振り分ける。また、合同研究会を現地調査等の日程とうまくあわせる等して開催する他、あらゆる手段を使って機動的・実質的に研究内容の共有や議論等を行う。
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