2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26282067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
馬渡 駿介 北海道大学, -, 名誉教授 (50096913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷山 美紀 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (00218463)
柁原 宏 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30360895)
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 教授 (50221833)
牛嶋 仁 中央大学, 法学部, 教授 (50268968)
松浦 啓一 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 名誉研究員 (70141984)
西田 治文 中央大学, 理工学部, 教授 (70156082)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自然史財 / 自然史標本 / 自然史科学 / 分類学 / 自然史博物館 / 自然史遺産 / 法的保護 / 専門職職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
各学会で自然史財関連の説明を行った。平成26年6月15日には、日本動物分類学会題50回つくば大会にて「分類学の進行は可能か」と題して馬渡が講演し、研究の証拠として自然史標本を残す分類学の重要性を述べた。日本動物分類学会シンポジウム「博物館標本の新しい価値~新しい自然史博物館を~」にて、馬渡が趣旨を説明し、長谷山が講演した。本シンポの講演内容は日本動物分類学会和文誌「タクサ」38号1-25に掲載された。 自然史財の重要性を社会に発信するため、学術会議公開シンポジウムに参加した。平成26年12月15日には、デング熱の媒介昆虫の分類学と自然史標本についてそれらが昆虫媒介感染症に果たす意義を社会に知らしめることを目的に緊急公開シンポジウム「デング熱と蚊の分類と自然史標本」を開催した(司会:馬渡、講演者:大原ほか)。その講演内容は「学術の動向」平成27年7月号に掲載予定。平成27年1月10日には、自然史標本が東日本大震災で被災したことを教訓に、国立自然史博物館の設立の重要性を社会へ発信し、学界での機運を盛り上げることを目的として、日本分類学会連合総会に合わせて公開シンポジウム「国立自然史博物館の設立を望む」を開催した(司会:馬渡、講演:松浦、西、西田ほか)。その講演内容は「学術の動向」平成27年5月号に掲載。 以上のように、学会および日本学術会議の自然史財の保護と活用、動物科学、そして自然史・古生物の3分科会との密な連携の元で研究を進めた。 自然史財の認定・登録に関しては、自然史学会連合および分類学会連合と協議を続けてきたが、研究が阻害されるとの意見が多いため、まずは学会連合内に委員会を設け、「自然史遺産」として私的に認定・登録することを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自然史標本が重要であり、人類の財産であり、社会で守り次世代へ継承するべきものであるとの認識が、研究を始める前に比べて明らかに高まった。特に、これまで自然史標本は研究者自身のものだという意識が強かった自然史科学研究者自身が、意識を改め、次世代の自然史研究者を確保するためにも自然史標本は社会で継承するものであるとの考えを持つようになった。このことは自然史学会連合および分類学会連合との会合、日本学術会議のシンポジウム等で我々が主張を続けてきた成果である。 さらに、自然史標本を「自然史遺産」として学会連合で認定・登録することが認められたことは、「自然史財」の公的保護へ向けての大きな前進である。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内に存在する自然史標本の全貌を少しでも明らかにするため、日本全国の地方博物館等施設をできるだけ多く訪問して重要自然史標本の探査を続け、それらを「自然史遺産」として学会連合で認定・登録することの了解を得る。 自然史標本の重要性を社会に知らしめるための活動として、シンポジウムを様々な団体との共同で開催する。 現在、日本学術会議のいくつかの分科会主導の下で進行中の「国立自然史博物館の設立」を推進する運動に積極的に関わり、重要自然史標本の保管・研究施設の確保に力を注ぐ。 自然史標本活用の道として、バイオミメティクス研究に積極的に関わる。
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Causes of Carryover |
次年度(平成27年度)に国際シンポジウムを企画しており、ロンドン自然史博物館(イギリス)、ゼンケンベルグ自然史博物館(ドイツ)、パリ国立自然史博物館(フランス)、ワシントン国立自然史博物館(米国)からそれぞれ1名以上の招待講演者を招聘するための旅費およびシンポ開催費用に充てるため、次年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外招聘旅費および、シンポジウム開催会場借り上げ費用、シンポジウム関連研究支援者雇用費用などに使用予定。
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Research Products
(17 results)