2016 Fiscal Year Annual Research Report
Modulatory effects of postnatal experience on rat hippocampal local field potentials
Project/Area Number |
26282222
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠原 良章 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (10425423)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海馬 / 脳波 / in vivo / 左右差 / 生後環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の生後の飼育環境は脳の発達に大きな影響を与える。ラットを豊かな環境(ENR)で飼育した場合、隔離環境(ISO)で飼育した場合より学習効率が高いことが知られている。しかし環境操作後に脳波測定を行い、環境依存的な脳活動変化を実証した研究はほとんどなかった。私はENR飼育ラットの方がISO飼育に比して海馬で生じるθ波随伴γ波の振幅が大きく、また、左右海馬での協調活動(コヒーレンス)も増大していることを海馬CA1の放射状層で示した(Nat Commun(2013))。そこで、さらに長期間のENR/ISO環境でラットを飼育し、海馬のγ波の環境依存的な差は永続的なものかどうかを探索した。すると、長期ISO飼育したラットでも、γ波振幅・コヒーレンス双方が次第にENRラットに追いついていくことが分かった。つまり、ENR飼育は放射状層では動物の脳の発達を促進する。なお、このγ波の増強は右優位で起こることが分かっているが、長期的な飼育では左が右に追いついていくことも明らかになった。ところが、脳の別の領域では、環境依存的な脳波変化は永続的であることも分かり、現在形態データを合わせて論文に投稿準備をしている。 ENR飼育は人工的な脳刺激より動物にとって自然な状態であり、環境操作の後の脳波の定量的測定は様々な応用法があると考えている。最近、アストロサイトの神経可塑性に対する関与、とりわけ自発的なカルシウム活動の影響が最近強く示唆されている。そこで、アストロサイトのカルシウム活動の大部分が起こらなくなるIP3R2ノックアウト動物でも環境依存的な脳波変化が観測可能か実験を行った。すると、γ波にはIP3R2分子の影響はなかったが、徐波睡眠時に見られるripple活動には環境依存的な影響があることが分かった(投稿中)。すなわち、アストロサイトのカルシウム活動は確かに脳の発達に影響を与える。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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