2016 Fiscal Year Annual Research Report
地域の生物文化多様性を基盤としたレジリアントな観光ガバナンスの研究
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26283015
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
敷田 麻実 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40308581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 奈芳美 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10424798)
愛甲 哲也 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30261332)
梅本 勝博 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (40114938)
佐々木 雅幸 同志社大学, 経済学部, 教授 (50154000)
湯本 貴和 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70192804)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生物文化多様性 / レジリアンス / 観光資源 / 地域再生 / 生態系保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地域の自然環境からの生態系サービスを文化資源化するための新たな資源開発プロセスを、地域の学習過程と捉え、国内外の詳細な事例研究を通して、観光交流を通した文化発信による地域アイデンティティの回復のモデルを構築を目的として研究を 進めた。また、この仕組みを実現するためのレジリアントな観光ガバナンスの社会的モデルを構築することを目指して研究を進めてきた。 特に平成28年度はスエーデンの国際会議や国内の環境経済政策学会、 日本湿地学会、観光研究学会、野生生物と社会学会での発表や海外も含めて論文投稿を進めた。また米国スエーデンのストックホルム市、同大学、エステルムント市、ケンタッキー州のパデューカ市の調査を行い、現地調査の結果を基にした議論を研究分担者と行った。 なお、特に「Valuing and Evaluating Creativity for Sustainable Regional Development」と題されたミッド・スウェーデン大学での学会でセッションを持ち、発表を行った。また、国際シンポジウム「グローバル化に対峙する生物文化多様性-地域の自然・文化・経済から」を開催し、海外からの基調講演も含めて意見交換や成果発表を行った。 さらに、日本の生物文化多様性について、原生的自然である照葉樹林と二次的自然である里山を比較して、その特性を論じるととも、それぞれユネスコ世界自然遺産とユネスコ・エコパークなどの世界的なブランドと地域的な価値や誇り、あるいは科学的知見と伝統的智慧を組み合わせることによって発展的に継承する方策を提案した。特に照葉樹林では宮崎県綾町と鹿児島県屋久島町、里山では兵庫県篠山市と石川県珠洲市をモデルとして、学術的コミュニティが民間や官庁と協働して地域戦略立案から実践へと展開するための活動を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年度末に大学を異動したため、後半の現地調査研究の実施が十分できず、2016年度にその研究を推進した。しかし、現地調査を含む研究については、異動後で新しい環境に十分慣れておらず、遅れを完全に解消できるまでにはなっていない。しかし、研究では地域資源を高次利用して創発的な観光を推進するプロセスを中心に理論面をモデルとして検討したので、理論面の研究は進められた。海外事例については、マレーシアおよびスエーデンの海外事例の調査を実施できたことで進められたが、国内の調査は相手方との調整の必要性もあり進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は最終年であるので、研究成果をまとめるための研究会を開催し、協働研究者の成果も含めてまとめるように進めたい。遅れている海外及び国内の事例調査は追加して実施する。また、難しい場合には終了年の延長も検討する。それにかかわらず、成果の発表や発会投稿論文投稿は積極的に進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度末に大学を異動したため、後半の現地調査研究の実施が十分できず、平成28年度にその研究を推進した。しかし、現地調査を含む研究については、異動後で新しい環境に十分慣れておらず、遅れを完全に解消できるまでにはなっていない。しかし、研究では地域資源を高次利用して創発的な観光を推進するプロセスを中心に理論面をモデルとして検討したので、理論面の研究は進められた。海外事例については、マレーシアおよびスエーデンの海外事例の調査を実施できたことで進められたが、国内の調査は相手方との調整の必要性もあり進捗が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に実施する国内外の現地調査の旅費に充当する。また、平成29年度は、フィールドにおける調査と研究会開催費、国際シンポジウム開催費に充当する予定である。
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Research Products
(22 results)