2017 Fiscal Year Annual Research Report
地域の生物文化多様性を基盤としたレジリアントな観光ガバナンスの研究
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26283015
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
敷田 麻実 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40308581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 奈芳美 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10424798)
愛甲 哲也 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30261332)
新 広昭 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (90781683)
佐々木 雅幸 同志社大学, 経済学部, 教授 (50154000)
湯本 貴和 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70192804)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物文化多様性 / レジリアンス / 観光資源 / 地域再生 / 生態系保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、地域の自然環境からの生態系サービスを文化資源化するための新たな資源開発プロセスを、地域の学習過程と捉え、国内外の詳細な事例研究を通して、観光交流を通した文化発信による地域アイデンティティの回復のモデルの構築を目的として研究を進める。また、この仕組みを実現するためのレジリアントな観光ガバナンスの社会的モデルを構築・提案するため、観光ガバナンスの構築を都市部と非都市部の統合的な地域再生と捉え、普及を前提とした研究成果を出すこと目指して研究を進めた。 平成30年度はとりまとめのための研究会を4回開催し、研究分担者に加えて関連研究を進める研究者も参加して開催し、それぞれの事例からの調査報告を受けて議論した。そして、これから最終段階で構築するモデルの検証に関して議論した。また、地域の観光、地域の生態系(からのサービス)や自然環境資源の文化的消費プロセスを景観などの地域資源の「文化資源化プロセス」を「直接的消費→イメージ消費→背景要素としての消費」に従うという代表者らの仮説を実証的に明らかにするためのに岩手県花巻市、水沢市、遠野市、および中国四川省を対象に地域の資源から付加価値を生み出す工程を分析する現地調査を行った。 さらに、観光ガバナンスに関する事例調査及び分析を踏まえ、研究代表者が提示している観光の関係性モデルを基本として、観光・交流による地域資源の高付加価値活用を文化資源化プロセスとして整理し、「生物文化多様性を基盤とするクリエイティブツーリズムによる新たな地域再生モデル」を構築し、学会発表13件、研究論文2件を発表した。そして、生物文化多様性概念に基づく地域資源戦略とそのための観光ガバナンス形成、その効果と可能性、地域資源の高度利用プロセスの分析によるレジリアントな地域モデルの内容を固め、著作として出版する準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年に研究代表者が入院し、手術を受けた。その後回復が遅れ調査や研究会の開催が遅れた。また以降もリハビリのために行動に制約が多く、国内・海外調査が遅れた。また平成27年の年度末に所属機関が変わり他大学に移ったことにより、業務多忙となり、また不慣れなために調査の遅れが回復ができなかった。昨年度から鋭意残っていた調査を進めて来たが、まだとりまとめの一部が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、地域アイデンティティを形成する資源利用と発信によって、地域アイデンティティが形成、再構築されたプロセスを各事例から共通して抽出し、観光交流による地域アイデンティティ形成のメカニズムを理論的に示す。さらに、観光ガバナンスに関する事例調査及び分析を踏まえ、研究代表者が提示している観光の関係性モデルを基本として、観光・交流による地域資源の高付加価値活用を文化資源化プロセスとして整理し、「生物文化多様性を基盤とするクリエイティブツーリズムによる新たな地域再生モデル」を出版などで発表する。さらに、生物文化多様性概念に基づく地域資源戦略とそのための観光ガバナンス形成、その効果と可能性、地域資源の高度利用プロセスの分析によるレジリアントな地域モデルを提示する。また、観光関連学会や国外への学会発表、学内誌や学術学会誌への投稿として、都市計画学会、観光学術学会、農村計画学会、環境経済政策学会、文化経済学会などを目指す。 の発表を目指す。
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Causes of Carryover |
平成26年10月、研究代表者が入院し手術を受けた。また平成27年の年度末に所属機関が変わり他大学に移ったことにより、調査の遅れが回復ができなかったので、繰り越し申請をした。来年度は結果のとりまとめと遅れていた調査、及び研究で得られた資料の保存のため2使用する予定。
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Research Products
(20 results)