2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26284017
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松居 竜五 龍谷大学, 国際学部, 教授 (40238952)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畔上 直樹 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20315740)
橋爪 博幸 桐生大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40412978)
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
千本 英史 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (50188489)
安田 忠典 関西大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90388413)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 人類学 / 民俗学 / 仏教 / 曼陀羅 / 生態学 / 説話 / データベース / 大英博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年8月5日・6日・7日に南方熊楠研究会の例会を開催した。8月5日には資料検討会をおこない、橋爪が「サイエンティフィック・メモワール」、松居が「ロンドン抜書」、RAの田村義也が白井光太郎関連書簡に関する成果報告をおこなった。8月6日午後には畔上がコーディネーターとしてシンポジウム「神社合祀反対運動再考」を開催した。8月7日には『熊楠研究』第9号の合評会などをおこなった。また南方熊楠研究会総会をおこなって役員を選出し、会則を定めた。 10月10日に京都大学において「ロンドン時代の南方熊楠」と題したシンポジウムをおこない、この中でRAの志村真幸が発表、松居がコメンテーターとして発言した。2016年3月19日より5月5日までの予定で南方熊楠顕彰館において展観「ロンドン時代の南方熊楠」をおこない、松居、志村などが構成を担当した。 年度中の毎月(8月を除く)、東京翻字の会と熊楠関西の二つの研究会をおこない、主に南方熊楠の日記についての読解を進めた。また「田辺抜書」や関連の書簡に関する研究会も並行しておこなっている。 2015年6月には松居編の『南方熊楠の謎』を刊行し、この中で松居が第Ⅰ部「鶴見和子とその南方熊楠研究」を執筆してこれまでの研究史についてまとめた。また第Ⅱ部では、松居、田村などを中心として2004年におこなった鶴見和子を囲む座談会を収録している。これに関連して、7月30日の藤原書店主催の山百合忌において、松居が講演をおこなった。2016年4月には志村編の『異端者たちのイギリス』が刊行され、橋爪、松居、安田、志村が寄稿している。 今年度の研究の集大成として、2016年3月31日に南方熊楠研究会編の『熊楠研究』第10号を刊行した。前記の例会における発表を中心として編集したものであり、畔上、田村、志村、松居が寄稿している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8月6日に南方熊楠研究会の総会をおこない、正式に発足した。会長1名、運営委員5名、会誌編集委員5名を選出し、また会則について定め、今後の安定的な運営の基盤を形成することができたと考えている。これに基づいて、8月の例会における口頭発表を翌年3月の『熊楠研究』において刊行するという研究の流れを確立した。 こうした研究会と研究誌の連動によって、資料面でも翻刻と刊行を継続するための流れが確立された。特に関連の書簡については、南方熊楠・岡茂雄往復書簡を『熊楠研究』第9号・10号に連載したが、今後も雑賀貞次郎、中村古峡宛書簡などを刊行するための基盤を形成しつつある。 その一方で、南方熊楠の日記に関しては東京翻字の会と熊楠関西で読解を続けているが、刊行のための準備については遅れが生じていることは事実である。
|
Strategy for Future Research Activity |
南方熊楠研究会の活動のさらなる展開を図る。2016年8月8日・9日・10日に予定されている研究例会において、「南方熊楠のロンドン時代」と題するシンポジウムを中心として、資料検討会、公募発表会、『熊楠研究』第10号合評会などをおこなう。この成果に基づいて、2017年3月に『熊楠研究』第11号を刊行する。 資料翻刻に関しては、従来進めてきた小畔四郎宛、白井光太郎宛書簡に加えて、雑賀貞次郎宛、中村古峡宛などの関連書簡の読解を進め、『熊楠研究』などにおいて順次刊行していくこととする。 南方熊楠顕彰館との連携を従来通り継続し、6月に「大英博物館の人々」展、12月に「十二支考鶏の回」展などを組織する。 松居はこれまでの研究成果をまとめた書籍を『南方熊楠の学問形成』(仮題)として9月頃に刊行する。
|
Causes of Carryover |
3月に予定していた松居の田辺出張を延期したことなどから誤差が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張旅費として使用予定。
|
Research Products
(10 results)