2014 Fiscal Year Annual Research Report
近代日韓の洋楽受容史に関する基礎研究―お雇い教師フランツ・エッケルトを中心に
Project/Area Number |
26284018
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ゴチェフスキ ヘルマン 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00376576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 浩基 島根大学, 教育学部, 教授 (50322219)
塚原 康子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (60202181)
酒井 健太郎 昭和音楽大学, オペラ研究所, 講師 (60460268)
大角 欣矢 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90233113)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 芸術諸学 / 音楽史 / 近代日本 / 近代韓国 / 洋楽受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
フランツ・エッケルトの人物像を明らかにし、2016年の展覧会・シンポジウム・演奏会で研究成果を社会へ発信できるよう、メンバーの各々が研究を開始した。また、研究打ち合わせやネットで研究分担者・協力者が共有するスペースやデータベースの作成も開始した。 研究代表者はドイツやアジアで外交関係の史料等でエッケルトの日本雇用と韓国雇用に関しての資料を確認し、エッケルトが韓国で交際していた人物の調査を李京粉協力者と交流しながら進めるとともにポーランドとドイツに於いて、エッケルトの来日以前や韓国への赴任前の彼の軌跡を追った。そして、東京合唱教会の雑誌“Allerhand Lustiges aus dem Tokio Gesang-Verein“ が発行されていたことを発見し、National Library of Australiaよりスキャンデータを入手し、その資料研究も開始した。 さらに研究代表者は安田寛協力者や研究支援の大学院生とともに近代音楽館に所蔵されているエッケルト関係の楽譜資料、近代音楽館でデータベース化されている日本の新聞類と横浜開港資料館に所蔵されている新聞(日英独仏語)の体系的な資料調査を開始した。 酒井分担者は、東京芸術大学付属図書館に所蔵されている貴重資料などに基づき、音楽取調掛・東京音楽学校の活動に関与した外国人音楽教師の日本の伝統音楽・芸能(「邦楽」)の受け止め方を明らかにし、彼らの「邦楽」受容が音楽取調掛・東京音楽学校の事業に与えた影響を考察し、平成27年度以降へも考察を続ける。 塚原分担者は従来の日本の軍楽隊・音楽取調掛・宮内省楽部に関わる音楽研究でエッケルトに関わる部分を整理し、史料を再検討した。藤井分担者は韓国と日本の史料調査、韓国側の協力者と交流しながら、エッケルトが韓国に移ってからどうの様に日本人とのコンタクトを持ち続けたかを調査した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していたことは順調にすすみ、当初平成27年度に予定されていた韓国での韓国側のシンポジウムを平成26年3月に催した。このシンポジウムでは韓国側の協力者と日本側の分担者と協力者で研究打ち合わせをし、研究プロジェクトに関わる韓国の活躍現場を見学した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年(2016年)はエッケルト歿後百年であり、平成28年度に予定していた展覧会が会場になる駒場博物館とのスケジュール調整の結果、平成28年3月から6月に決まった。そのため、平成27年度に展覧会準備のすべてを行うが、展覧会中の関連企画(現在は講演会、演奏会などを企画している)を平成28年度に行う予定である。展示期間中には国際シンポジウムを開催し、それまでに得られた研究成果を発表する予定である。韓国の研究協力者のみならず、ヨーロッパからも基調講演者を招待し、エッケルトの存在を広く社会に知らしめようと考えている。 展覧会へ向けて、東京合唱教会の雑誌の研究もさらに遂行し、発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
当初平成27年度に予定していた韓国に於いての韓国側メンバーと日本側メンバーとのシンポジウムが、スケジュール調整の結果、平成26年3月に変更になった。そのため、平成27年度予算を前倒することになり、その前倒しの残額が次年度使用として生じることになった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の予算であるので、当初より平成27年度に予定されていた研究代表者の調査のための渡航費用等に使用する計画である。
|
Research Products
(7 results)