2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26284019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 靖 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80269969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 三彌 成城大学, その他部局等, 名誉教授 (10054503)
中尾 薫 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (30546247)
鈴木 雅恵 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (70268291)
瀬戸 宏 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80187864)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交流 / 西欧演劇翻訳 / 演劇の近代化 / 伝統演劇 / ポスト植民地主義 / 異文化接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年7月に英国ウォーリク大学において、国際演劇学会International Federation for Theatre Researchが開催された。この大会においてアジア演劇ワーキング・グループの研究会を7月28日~31日の4日間に渡って組織し、口頭発表と協議を行った。発表された研究論文は10本で、日本、中国、インドネシア、韓国、インドの近現代のドラマツルギー、西欧戯曲翻訳、現代演劇上演、大衆演劇史、近代演劇理論などについての論考で、全体として東アジアから南アジアまでの広い範囲で近現代演劇の近代化の持つ様々な問題点が議論された。また11月には、国立韓国藝術綜合学校演劇院において、同校、国立台北藝術大学戯劇系、大阪大学大学院演劇学研究室の3校で主として大学院生の研究発表を中心とする国際会議 2nd International Theatre Conference "New Perspective of Theatre Studies"を開催し、大阪大学から5名の院生の発表を行った。ここでは新劇における不条理劇受容、日本の障害者演劇、現代女性劇作家と現代劇作家、戦前のレビューなどについての研究発表を行い、韓国、台湾のそれぞれの近現代演劇の状況と比較対応することができて、有意義な議論が展開できた。また6月に「東アジアの伝統と西洋受容」をテーマに日本演劇学会全国大会を開催し、その企画に深く関わった。上海戯曲学院より京劇史の研究者である張偉品助教授を1年に渡って招聘し、研究会等を通して日本と中国の研究交流を継続的に行った。また近現代演劇研究会を5回開催しフランスからヴァレール・ノヴァリナ(劇作家)、NYからジョン・ジャノン(NY市立大学准教授)王冬蘭(帝塚山大学教授)、ポーランドからエステラ・ゼロムスカ(ポーランドのアダム・ミツケヴィチ大学)などを招聘して、各国でのアジア演劇研究との交流ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初予定していた研究集会、研究会、研究者招聘と調査を行うことができた。研究集会等については上記「研究実績の概要」に記載した。個別の調査では、シンガポールに9月と3月に調査に出かけることが出来た。研究計画の一つであったアジアにおける英語圏演劇研究の端緒を開くことが出来た。また香港での伝統演劇と日本演劇の比較研究も展開することができた。また海外での研究集会以外に、個別には中国やオーストラリアなど各地でシンポジウム等に参加し、積極的に研究発表を行った。ただ昨年から課題となっている外国語による論文集刊行については、論文の修正に時間がかかり、現在編集中であり、本年度には筋道を立てたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、本年度の実施状況を踏まえて基本的には同様の方策を取って行く。海外での研究集会の開催、海外研究者の招聘、海外への研究調査、日本での研究会実施の4本の柱で適宜組み合わせて研究推進して行く。また単行本の刊行については課題としてあり、本年度中の刊行を目指したい。
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Causes of Carryover |
3月に計画していたシンガポールでの研究会が主催者の都合により最終的にキャンセル(平成27年度に延期)されたために多少の残額が生じた。また編集中の論文集の作業が思う様に進展せず、これについても若干の残額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にはハイデラバード(インド)での研究会、また台北(もしくは北京)での研究会の開催を予定している。シンガポールでの研究会も計画が進んでいる。また論文集についても現在鋭意編集中である。十分な執行を予定している。
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