2016 Fiscal Year Annual Research Report
データベースと音声実験に基づく音韻知識の計量的・実証的研究
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26284059
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
本間 猛 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (30241045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 理直 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00273714)
北原 真冬 上智大学, 外国語学部, 教授 (00343301)
佐野 真一郎 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (30609615)
竹安 大 福岡大学, 人文学部, 講師 (80585430)
川原 繁人 慶應義塾大学, 付置研究所, 准教授 (80718792)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 音韻論 / 実験音韻論 / 実験音声学 / 音韻論的データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
○本研究課題は、3年目を終えた。前年度、前々年度に引き続き、各班ごとに以下のような研究をさらに深めた。(1)英語における音節化(本間)。特に成節子音の分布について、調査を進めている。昨年度中の公表を目指していたが、遅れている。(2)英語の接尾辞と強勢の型(本間)。(3)英語の歯茎はじき音の日本語母語話者による知覚と産出について(北原)。(4)日本語の音節の存在について(川原)。(5)語末F0上昇が母音の長短判断に及ぼす影響について(竹安)。(6)日本語分節音の音韻要素表現とその内部構造について(松井)。(7)日本語の歯茎促音の調音的特徴について(川原、松井)。(8)コーパスに基づいた音韻変異について(佐野)。 ○上で述べた諸研究は、前年度に引き続き、実験音韻論の国際的な動向にともなって、以下の4つの柱にそって行った。(1)データベース・コーパスに基づく研究。(コーパスや電子化された辞書など、現在記録されている資料を用いて、日本語・英語の音韻現象の統計的なデータの収集。)(2)無意味語・新語を用いた研究。(データベースやコーパスを用いた研究で明らかになると期待されている静的な音韻現象の記述と無意味語・新語を用いた実験を通して、土的な音韻知識を明らかにし、検証を試みた。)(3)知覚実験研究。(音声データを機械的に加工し、その音声を用い、実在する語からは得がたい実験を行い、音韻知識を明らかにしょうとする研究。)(4)多情報・多角的検索型コーパス・データベースの構築。(実験音韻論に必要なコーパスを構築し、加えて、実験結果のデータベース化を進めた。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度、平成27年度に引き続き、平成28年度は、データベースの作成を継続し、新規データの掘り起こしを行っている。また、6月14日には、上智大学にて行われた Elizabeth Hume教授 (University of Canterbury, New Zealand)の講演会に協力した。さらに、10月13日には、国立国語研究所で Workshop "Syllable and Prosody" 行った。また、データベース班、無意味語班、音声実験班の各班ごとに、それぞれ、連絡を密にして、意見交換や共同作業を行うことができた。以上のように、おおむね順調に進んでいるが、平成27年度末に研究分担者の一人である三間英樹が事故で急逝したこと、また、平成28年度からピンテール・ガーボルが国外に研究の拠点を移すなど、研究組織が手薄になったこともあり、残されたメンバーの一層の努力もあるが、遅れも否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究の進捗を踏まえて、さらに研究を進めていく予定である。29年度も既に、海外からの研究者の招聘が計画されている。
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Causes of Carryover |
計画していた一部の海外の研究協力者の招聘がかなわなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は積み残した分の招聘を行う予定である。
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