2014 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア諸言語の文法記述研究-言語類型論的視点から
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26284063
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (50260055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正幸 総合地球環境学研究所, 研究部, 客員教授 (10299711)
高橋 慶治 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (20252405)
桐生 和幸 美作大学, 生活科学部, 教授 (30310824)
児玉 望 熊本大学, 文学部, 教授 (60225456)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 言語類型論 / 南アジア諸言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
科学研究費による研究をはじめるにあたって、言語類型論の枠ぐみを話し合うために、総合地球環境学研究所に集まって、研究会をおこなった。その際、オーストラリアの類型論研究センターで研究をした経験がある大西を中心として、ベンガル語を例にして、類件論的な枠組みに関する試案が提出され、それをたたき台に今後、個別言語の記述を進めていくことを全員で確認し合った。 研究代表者の長田は4月、8月、10月にムンダ語調査をおこない、12月にも調査が必要なため、次年度からの調査費を前倒し申請して、調査をおこなった。この調査では文法記述にとって、非常に大切なテキストを収集することを目的におこなった。季節ごとにことなった歌をうたうので、その歌詞の収集のため、インドに行った。また、6月7月には、北欧にいき、ストックホルムではオーストロアジア語の研究者からお話をうかがい、オスロではボディングのサンタル語資料を調査した。なお、本年度はこのボディングの生誕150周年を記念してシンポジウムがおこなわれるが、そのシンポジウムに参加し、発表する予定である。 大西は諸般の事情により、インドへの出張ができなかったが、現地の人びとによって、ベンガル語の資料を収集していただいた。高橋と桐生はそれぞれフィールド調査をおこなったが、児玉は学務があったため、フィールド調査をおこなうことができなかった。そのため、長田が児玉の代わりに、インドでのフィールド調査をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者が学務などに追われているため、フィールド調査の時間が取れないケースが出ている。とくに、大西と児玉は時間が取れず、フィールド調査をあきらめるといった事態を迎えた。南アジア諸言語の文法記述を進めるためにはフィールド調査は不可欠であるが、その時間が取れなかったため、順調とは言いがたい。ただし、研究代表者の長田は学務がないため、十分な調査をおこなうことができ、全体としてはおおむね順調だと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの研究代表者と研究分担者はここのフィールド調査を進めていく一方、言語類型論的な枠組みについても、精査していくことが重要である。そのため、国内での研究会をおこなう予定である。また、言語類型論の世界的な研究者である、オーストラリアのニコラス・エヴァンズからもレビューを受ける予定である。 研究成果については、長田が国際オーストロアジア言語学会で発表する予定であるし、高橋、桐生は国際漢蔵学会で発表を予定している。
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Causes of Carryover |
次年度からの前倒し金を使用して、12月に調査をおこなったが、本来次年度に使用すべき謝金を謝金を支払う予定の協力者に支払うことができなかったため、そのまま繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した額は1万7千円ほどで、次年度はその額を謝金に充てる予定である。
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