2014 Fiscal Year Annual Research Report
幕末期における大坂・大坂城の軍事的役割と畿内・近国藩
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26284095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩城 卓二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (20232639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 路人 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40144414)
日比 佳代子 明治大学, 公私立大学の部局等, その他 (40468830)
小倉 宗 大阪大谷大学, 文学部, 准教授 (40602107)
添田 仁 茨城大学, 人文学部, 准教授 (60533586)
薮田 貫 関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
藤本 仁文 京都府立大学, 文学部, 講師 (90580580)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本史 / 幕末期 / 大坂 / 畿内・近国藩 / 軍事的役割 / 幕府軍事職 / 海防 / 蔵屋敷 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画した(1)城番・加番関係史料の収集・翻刻、(2)幕府軍事職・広域支配、(3)大坂湾海防、(4)蔵屋敷について、研究代表者・分担者が調査・研究を進め、必要な点については調査対象を拡大し、以下のような成果をあげた。 (1)城番・加番を務めた播磨山崎藩本多家文書の撮影・翻刻は、天保6,7年、弘化2年、弘化3年、安政7年の江戸日記・国元覚帳・大坂日記を撮影・デジタル化し、申請書に記載した通り 江戸・大坂・国元の3冊が残される年度分の翻刻を進めた。その結果、御用状の伝達ルート、藩の意思決定、軍事力増強の過程が知られた。加番を務めた但馬国豊岡藩については、家老家に残される文書の調査・撮影を行い、同文書から文化面における大坂の意義について検討できることが判明した。なお、水口藩加藤家文書の調査・研究は、着手できなかった。 (2)は、国文学研究資料館・大阪市立中央図書館所蔵大坂城代土屋寅直関係文書の調査を行い、次年度以降、撮影を開始することとした。また将軍上洛時関係文書の収集を開始し、上洛費用捻出過程が明らかとなった。広域支配については、医療行政という新しい観点から、関係文書の調査・研究を進めた。 (3)は九州大名の大坂湾海防が知られる史料群を発見し、収集・調査を進めた。また摂津尼崎藩・同三田藩・大坂町奉行関係文書・生野銀山関係文書の他に、当初計画にはなかった蒸気船運航に必要な石炭の確保が知られる地方文書の調査・研究にも着手した。このことで、海防・石炭確保について、社会的動向からも明らかになることが判明した。 (4)明治大学図書館所蔵日向国内藤家文書の蔵屋敷関係文書の調査・撮影を行い、あわせて九州大名の蔵屋敷関係文書の所在調査を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水口藩加藤家文書の調査・研究以外は、当初計画通り進められていること、大坂湾海防・広域支配については調査・研究の対象が絞り込まれたこと、研究代表者・分担者の調査・研究によって、医療行政・将軍上洛・海防について本研究を発展させる新しい視点が具体的に提示されたことから、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、進められており、史料所蔵関係機関との連携も支障なく行われていることから、申請書に記載した計画について、とくに大きな変更点はない
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Causes of Carryover |
関係史料の写真撮影は史料単位で行っており、新しい史料の撮影を始めると未支払額が発生することが予想されたため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関係史料の調査・撮影費用に充てる。
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Research Products
(5 results)