2017 Fiscal Year Annual Research Report
コスモポリタニズムと秩序形成――ブリテン世界における近代的イシュー
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26284113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝田 俊輔 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00313180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 はる美 東洋大学, 文学部, 准教授 (00540379)
辻本 諭 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50706934)
近藤 和彦 立正大学, 文学部, 教授 (90011387)
坂下 史 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90326132)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 西洋史 / ヨーロッパ史 / アメリカ史 / コスモポリタニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は、6月24日に立教大学で開催された日本18世紀学会第39回大会において、シンポジウム「コスモポリタニズムの歴史的文脈」を、同学会の幹事役を務める大石和欣氏(東京大学)の協力の下で主催した。これには本科研の研究メンバーのうち、勝田俊輔および金井光太郎が報告者・コメンテータとして参加した。その成果は同学会の『年報』に掲載される予定である。これとは別に、Margaret Jacob教授(University of California, Los Angels)を招聘してシンポジウムを主催する計画を立てたものの、同教授が承諾した後に健康上の理由から来日を中止したため、この計画は放棄した。かわりにKaren O'Brien教授(Oxford University)を招聘してシンポジウムを開催することとし、同教授の承諾を得た。ただし同教授の都合により来日は30年6月の予定となり、これに伴って本科研研究課題は研究期間を延長することとなった。 本年度に獲得された主な知見としては、西洋世界におけるコスモポリタニズムの全盛期は18世紀であること、またコスモポリタニズムは規範理念として流布し、とくにフランス語圏およびドイツ語圏で盛んであった一方で、英語圏では名誉革命体制に対する信頼のためもあって世界市民的な立場を唱道する動機が弱かったこと、さらに、理性だけでなく情念の時代でもあった18世紀において、理性を柱とするコスモポリタニズムはルソー的なパトリオティズムと対立したが、カントがこれを回避する論理を準備していたこと、が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は、コスモポリタニズムおよび秩序形成の二つをテーマに掲げたが、このうちコスモポリタニズムが予想以上に大きな問題であることが判明し、秩序形成の方には十分な時間と労力を割けなかった。また、シンポジウム開催のために予定していた海外の研究者の来日が、先方の都合で実現しなかったことも、計画の遅れの一因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長して30年度に持ちこした外国人研究者の招聘と、それにもとづくシンポジウムの実現が直近の課題となる。これに向けて、本研究課題の正規メンバーによる研究会合も予定している。なお、本研究課題終了後は、18世紀コスモポリタニズムに焦点を絞り、メンバーも一部変更の上で、新たに科学研究費補助金を申請する予定である。
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Causes of Carryover |
海外からの研究者を招聘してシンポジウムを開催する予定だったが、先方が健康上の理由により来日を取りやめたため、別の研究者を招聘することとした。ただし、こちらは都合により来日が30年度になり、このため招聘費用を次年度に繰り越すこととなった。
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