2015 Fiscal Year Annual Research Report
世代間正義と民主主義の緊張関係についての法理論的・法制度論的考察
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26285008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
毛利 透 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60219962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 真一 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70243003)
曽我部 真裕 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80362549)
尾形 健 同志社大学, 法学部, 教授 (60368470)
岸野 薫 香川大学, 法学部, 准教授 (70432408)
片桐 直人 大阪大学, その他の研究科, 准教授 (40452312)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 憲法 / 財政法 / 社会保障法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、4月にフランクフルト・アム・マイン大学(ドイツ)法学部のトーマス・ヴェスティング教授を日本に招へいし、3か所で2種類の講演(「公共放送と新しいネットワーク文化」「近代法と共有知の危機」)をしていただいたうえ、ディスカッションを行った。インターネット時代における知識の社会的存在形態の変化に注目する講演は、長期的視点に立つ知の法への取り込み方を探求する本研究課題にとって、大変有意義であった。 共同研究者の間では、平成26年度と同様、日常的意見交換を行うほか、メンバー以外の研究者も含めた研究会を2回開催して考察を深めた。 まず、平成27年9月には、九州大学の井上武史准教授を招いて「立憲主義論の現在と未来」というテーマで報告していただき、その後同テーマについて討論した。この報告は、日本で立憲主義を発展させていくうえでの課題を、日本国憲法自身の不十分さも含めて論じるものであり、統治機構や財政制度について憲法改正も可能性も視野に入れる本研究課題を進めるにあたって、資するところが大きかった。 さらに平成28年3月には、研究代表者毛利が、九州大学の赤坂幸一准教授とともにドイツの連邦議会、連邦内務省、連邦司法省を調査訪問した。連邦議会では、調査局が立法の質の向上のために果たしている役割についてインタビューした。内務省と司法省では、政府内での法案作成過程で両省によって行われている合憲性審査の実際などについてインタビューした。これらの調査により、立法の質の向上のための制度改革を模索する本研究にとって、大変有意義な成果を上げることができた。 そして、その成果を、赤坂准教授に同月の研究会で報告していただいた。毛利も同報告を補足した。さらにこの日の研究会では、初宿正典 京都産業大学教授から、教授が平成28年2月にドイツで行った国民主権に関する講演についても報告していただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者相互の意見交換を活発に行い、海外からの研究者招へいや海外への調査訪問を行って研究を進めた。また、メンバー以外の研究者も招いて2回の研究会を開催し、充実した議論を重ねた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の交付申請書に記したとおり、3グループ体制で日常的に議論を重ねつつ、全体の研究会も継続して開催する。
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Remarks |
研究分担者の曽我部真裕教授が開設しているページ。
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Research Products
(19 results)