2016 Fiscal Year Annual Research Report
世代間正義と民主主義の緊張関係についての法理論的・法制度論的考察
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26285008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
毛利 透 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60219962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 真一 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70243003)
曽我部 真裕 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80362549)
尾形 健 同志社大学, 法学部, 教授 (60368470)
岸野 薫 香川大学, 法学部, 准教授 (70432408)
片桐 直人 大阪大学, その他の研究科, 准教授 (40452312)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 憲法 / 財政法 / 社会保障法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、研究計画に沿って各メンバー、グループで研究を進めるとともに、全体での研究会を2回行った。 平成28年9月には、近畿大学の田近肇教授を招いて、墓地埋葬法制について、主としてイタリアの事例の研究成果を発表していただき、続いて討論を行った。墓地問題は、日本を含む高齢化社会において喫緊の課題であるにもかかわらず、日常政治において重要視されていない。生者が死者をどう扱うべきかは、世代間正義とも直結する問題であり、研究課題の探求に大変役立った。 平成29年3月には、国立社会保障・人口問題研究所企画部長の新俊彦氏を招いて、同氏がこの役職に就く前、内閣法制局に勤務していた時期の内閣法制局の動向についてお話しいただいた。当時の政治状況からして、集団的自衛権問題が多く論じられた。長期的視野をもった立法を実現するための立法過程のあり方は、本研究の重要なテーマであり、日本の立法過程中で重要な役割を担う内閣法制局の職務につき、実務経験者から詳しいお話を聞けたことは、大変有意義であった。 平成29年3月には、研究代表者の毛利が、九州大学の赤坂幸一准教授、岡山大学の山田哲史准教授とともに、オーストリアの立法過程調査のために、同国首相府の憲法部を訪問調査した。憲法部は、政府提出法案すべてにつき、その合憲性を審査する機関であるが、その意見が公開されるなど、日本の内閣法制局とは異なる点も多い。平成28年3月のドイツ調査に続き、この調査でも多くの有益な知見が得られたので、これを平成29年度の研究に生かしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者どうしの意見交換を活発に行い、またメンバー以外の研究者も招いて2回の全体研究会を開催し、充実した議論を重ねた。海外への訪問調査も行い研究の進展に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の交付申請書に記したとおり、3グループ体制で日常的に議論を重ねつつ、全体の研究会も継続して開催する。最終年度であることを意識しつつ、研究の進展を図る。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた外国の書籍が、予告通りに刊行されなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記書物は今年度に刊行されるはずであるので、購入して研究を進める。
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Remarks |
研究分担者の曽我部真裕教授が開設しているページ
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Research Products
(15 results)